ニュース

2024年10月15日

学生向けイベント

開催報告

2024年9月24日(火)~27日(金)開催 海洋開発現場体験セミナー ~地域にとって洋上風力とは何かを探る~

セミナーの目的

日本財団オーシャンイノベーションコンソーシアムでは、海洋開発人材の育成のため、海洋開発に関連する講義と現場視察を組み合わせたセミナー等を実施しています。

今回のセミナーの開催場所、青森県では、2020年7月に洋上風力発電の開発を先行的に進める「有望な区域」として、同県の沖日本海(北側・南側)が選定されました。今後「海洋再生可能エネルギー発電設備の整備に係る海域の利用の促進に関する法律」に基づく「促進区域」の指定が見込まれています。

洋上風力発電を含む海洋開発では、公共用物である公有水面を占用するため漁業、海運など先行利用者との協調が求められます。同時に、一般に大規模な投資が行われるため、雇用創出、施設運用に係る産業クラスターの形成、固定資産税などを通じて地域経済や産業に大きな影響をもたらします。本セミナーを通じて、技術的素養に加え地域や海域の先行利用者との協調について深い見識を持つ海洋開発技術者を育成します。

開催概要

主 催 日本財団 オーシャンイノベーションコンソーシアム
協 力 NPO法人 青森風力エネルギー促進協議会
弘前大学 地域戦略研究所
開催日時 2024年09月24日(火)~27日(金)
開催場所 青森県

スケジュール

  • 0日目
    9月23日(月)

    各自青森市内へ。ホテルルートイン青森駅前に各自チェックイン
    住所:青森県青森市新町1-1-24

  • 1日目
    9月24日(火)

    青森県のエネルギー政策、企業が取り組む地域振興

    10:30
    集合・オリエンテーション(・グループ分け)@青森商工会議所 7階
    11:00
    講演①「青森の海と風力(仮)」
    (青森公立大学特別教授・NPO 法人青森風力エネルギー促進協議会理事長・本田明弘氏)
    12:00
    昼食(お弁当)
    13:00
    講演②「再生可能エネルギーに関する青森県の取組について」
    (青森県環境・エネルギー部エネルギー開発振興課)
    14:30
    休憩
    15:00
    青森県知事訪問@青森県庁
    15:30
    講演③「風力発電について」
    (株式会社岡山建設/青森風力開発株式会社)
    16:30
    講演④「地元から見た風力発電事業とメンテナンスの重要性」
    (森山ディーゼル株式会社)
    17:30
    休憩・移動等
    18:00
    講師を交えての夕食会(青森市内)
    ホテルルートイン青森駅前 泊
  • 2日目
    9月25日(水)

    風力発電を知る

    08:30
    ホテル出発・移動(青森市~六ケ所村)
    10:00
    イオスエンジニアリングサービス株式会社の紹介
    A 班:風車登頂(垂直梯子 65m の陸上風車へ登頂し、O&M を疑似体験)
    B 班:監視センター、トレーニングセンター見学
    12:00
    昼食(お弁当)
    13:00
    A 班:監視センター、トレーニングセンター見学
    B班:風車登頂(垂直梯子 65m の陸上風車へ登頂し、O&M を疑似体験)
    15:30
    移動(六ヶ所村~野辺地町)
    16:00
    ホテルチェックイン・休憩等
    18:00
    漁師さんを交えての夕食会(野辺地町内)
  • 3日目
    9月26日(木)

    水産業を知る

    04:00
    ホテル出発(野辺地市内~野辺地漁港)
    04:30
    漁業体験(刺し網操業,網外し)
    12:00
    昼食(お弁当)
    13:00
    移動(野辺地町~青森市)
  • 4日目
    9月27日(金)

    洋上風力発電と地域・漁業協調の手法を考える

    09:00
    集合@青森商工会議所
    09:10
    講演⑤「漁業と洋上風力発電について」
    (八戸工業大学 地域産業総合研究所 教授 桐原慎二 氏)
    10:00
    ディスカッション
    11:00
    グループ発表・講評
    12:00
    解散

参加学生の体験談

広島大学

岡本泰知

私は青森で洋上風力発電と地域のあり方について学ばせていただきました。漁業者、県関係者、地域の方の意見を聞くことができました。学生レベルのネットでの調べ学習とは異なり、地域の色んな方の意見を聞くことで、地域によって課題や思いが異なることを知ることができました。私は他のイベントで洋上風力発電事業における先行利用者との共存戦略というものを考えているので、それに役立てて行きたいと思っています。また、このイベントは風車とその利害関係者のあり方を聞ける貴重なイベントです。ぜひ、興味のある学生さんは参加してみてください。

神戸大学

松本陸椰

この度は、様々な観点から洋上風力発電開発への理解を深められる貴重なご機会を頂き、誠にありがとうございます。漁業者さんやO&M業者さん、県知事さんといった方々が各々のお立場でお持ちのご意見を伺うことができ、さらには全国各地から集まった洋上風力に関心を持つ学生達と交流でき、洋上風力発電開発に身を置くことを志す者として大変有意義な4日間となりました。また、地域にとって洋上風力は「今」どんな存在であり、「将来」どんな存在であるべきか、考えを整理できたと感じます。本イベントにご尽力いただいた皆様、誠にありがとうございました。

九州大学

簑田康平

本セミナーでは,陸上風車も洋上風車もどちらについても学ぶことができました.普段は技術者側の視点で勉強・研究に取り組んでいる私も今回のセミナーでは漁業関係者,自治体,メンテナンス業者など様々な方面の方々とのディスカッションを通じて,風車に対する理解が増したと感じています.風車の地域社会や海洋生物との共生は,このページを見ている多くの人が一度は考えたことがあると思いますが,実際の声を聞いたり,同じ疑問を持つ同世代との議論の機会はなかなか無いのではないでしょうか?本セミナーで学んだことを今後の研究や実務に取り入れ,次代の海洋開発に貢献できる人材となりたいです.

横浜国立大学

上原響

今回、日本財団さんが主催する現場体験セミナーに初めて参加させていただきました。私はこれまで、洋上風力発電や再生可能エネルギーに関して授業などを通じて学ぶ機会が多くあり、知識は漠然と持っていました。しかし今回のセミナーを通じて、これまで大学では学ぶことのできなかった、地域漁業者の方の声や風車のO&Mをたくさん学ぶことができ、現地に行くことでしか得ることのできない経験ができました。また、知識だけではなく現地に実際に赴き自分の五感で感じることの重要性を知ることができました。このような非常に貴重な経験をさせていただけたことに感謝したいです。

北海道大学

平松幹浩

本セミナーでは、青森県知事、漁業者との洋上風力発電事業についての意見交換と陸上風車の登頂体験をさせていただきました。県知事の「洋上風力発電事業を進めることは、エネルギー転換を推し進めている反面、一部、環境破壊をしている面もある」というお言葉が印象的でした。地域住民や漁業者にとって大切なものを壊すかもしれない、その中で地域住民と漁業者の声に耳を傾けながら、合意形成を図り、日本のエネルギー転換を推し進めるべきだと感じました。風車の登頂体験では、風車のメンテナンスの過酷さを知り、技術開発で労働環境をよりよいものにしていく必要があると感じました。

横浜国立大学

友康士郎

研究室で洋上風力発電の研究をしており、今回のセミナーに参加させていただきました。本セミナーでは風車登頂やO&Mなど自分が実際に体験するだけではなく、漁業者の方のお話を聞くことや県知事のお話を聞くことで現地で生活している当事者の方がどのような思いで洋上風力発電と向き合っているかを知ることができ、とても勉強になりました。また、日本各地から参加した似ているようで違う分野を学ぶ学生と意見交換をすることで、自分の視野を広げることができました。今回のセミナーで得た経験を今後の研究や自分の将来に活かしていきたいと思います。関係者の皆様、本当にありがとうございました。

東京海洋大学

山口太誠

現在、洋上風力発電に関する研究を行っていますが、事業を進める際には、技術的な観点だけでなく、開発を行う地域の方々の意見にも耳を傾けることが重要だと改めて認識しました。実際に青森を訪れ、県知事や漁業者の率直な意見を聞けたことは、非常に有意義な経験となりました。また、風車への登頂や漁業体験など、現場での実践的な経験を通じて、風車のO&Mの難しさや仕事のやりがいを肌で感じられました。4日間を通じて、全国から集まった素晴らしい仲間と交流できたことは大変貴重でしたし、今後も彼らと切磋琢磨し、事業の発展に向けて活動していければ嬉しく思います。

東京大学

桑村恒多

プログラムへの参加を通じて、エネルギー先進地域としての青森県、地域におけるメンテナンス事業、洋上風力発電と漁業との関係性、等様々な視点からの講演・講義をいただき大変勉強になりました。また、青森県知事への訪問、風車への登頂体験、刺し網漁体験等、将来の洋上風力発電の姿を考えるにあたって貴重な体験をさせていただき、多様な専門分野を持つ参加者達と共に地域にとって洋上風力とは何かという問いを実践的に考えることができました。本セミナーを企画、運営、およびご支援くださった全ての関係者の方々に心より御礼申し上げます。

広島大学

井野嵩才

今回のセミナーを通じて、洋上風力開発のステークホルダーの皆様の話を伺い、現状を学ぶことで、私の洋上風力に対する解像度がぐっと高まったことを感じました。また、洋上風力の向き合うべき課題や、難点も知るとともに、ポテンシャルの高さを改めて強く認識しました。日本が脱炭素に向かっていくうえで、海洋という日本の強みをどう生かすかは大きな論点になると確信しています。日本や世界の持続可能なエネルギー供給の実現に向けて、海洋開発の視点から貢献できる人材になれるようこれからも一層勉強を続けていきます。

大阪大学

岡本優奈

本セミナーでは、講師の方々や青森県知事、漁師の方々、そしてイオスエンジニアリングの皆様など、実際に風力発電を取り巻く環境で生活されている方々の貴重な生の声をお聞きし、非常に有意義な学びを得ることができました。風車の登頂に関しては、実際に自分の力で65mを登るのは想像以上に大変で、メンテナンスの重要性とその難しさを実感しました。ナセルから見える美しい景色も印象深く、心に残っています。 また、異なる大学や専門分野の学生たちと交流し、4日間を共に過ごしたことも大きな財産となりました。本セミナーで得た学びを、今後の学習や進路に活かしていきたいと考えています。関係者の皆様、大変お世話になりました。ありがとうございました!

大阪大学

古川晃大

本セミナーを通じて非常に貴重な体験をさせていただき,誠にありがとうございました.風車見学や漁業体験を通じて,地域住民と風力発電が今後どのように関わっていくかを深く考える良いきっかけとなりました.特に印象的だったのは,異なるコミュニティに属する方々がそれぞれの事業に強いプライドを持ち,「青森」を盛り上げたいという共通の姿勢を持っていることであり,強く心を打たれました.将来的に洋上風車の普及が進むにつれ,このような「分かち合い」の精神が不可欠だと感じました.異なる職種同士が思いやりや相互理解を持つことで,新しい事業や地域全体の発展に繋がると確信しています.今回得た知見を大切にしながら,私は海洋開発に関する技術者を目指し,今後も精進してまいります.

※順不同

過去の開催報告

2023年 日本財団オーシャンイノベーションコンソーシアムの開催報告はこちら
2022年 日本財団オーシャンイノベーションコンソーシアムの開催報告はこちら
2021年 日本財団オーシャンイノベーションコンソーシアムの開催報告はこちら
弘前大学 地域戦略研究所の開催報告はこちら
2020年 日本財団オーシャンイノベーションコンソーシアムの開催報告はこちら
弘前大学 地域戦略研究所の開催報告はこちら

お問い合わせ

事務局 〒107-8404 東京都港区赤坂1-2-2
日本財団オーシャンイノベーションコンソーシアム事務局

専用フォームから、お問い合わせください。

お問い合わせフォーム