ニュース

2023年08月28日

学生向けイベント

開催報告

2023年07月24日(月)~28日(金)開催 海洋開発現場体験セミナー:~漁業と洋上風力発電について青森で

真面目に

考える~

セミナーの目的

日本財団オーシャンイノベーションコンソーシアムでは、海洋開発人材の育成のため、海洋開発に関連する講義と現場視察を組み合わせたセミナー等を実施しています。

今回のセミナーの開催場所、青森県では、2020年7月に洋上風力発電の開発を先行的に進める「有望な区域」として、同県の沖日本海(北側・南側)が選定されました。今後「海洋再生可能エネルギー発電設備の整備に係る海域の利用の促進に関する法律」に基づく「促進区域」の指定が見込まれています。

洋上風力発電を含む海洋開発では、公共用物である公有水面を占用するため漁業、海運など先行利用者との協調が求められます。同時に、一般に大規模な投資が行われるため、雇用創出、施設運用に係る産業クラスターの形成、固定資産税などを通じて地域経済や産業に大きな影響をもたらします。本セミナーを通じて、技術的素養に加え地域や海域の先行利用者との協調について深い見識を持つ海洋開発技術者を育成します。

開催概要

主 催 日本財団 オーシャンイノベーションコンソーシアム
協 力 NPO法人 青森風力エネルギー促進協議会
弘前大学 地域戦略研究所
株式会社ユーラスエナジーホールディングス
野牛漁業協同組合
開催日時 2023年07月24日(月)~28日(金)
※現地集合は、7月23日中に青森市内
※現地解散は、7月28日午後に青森市内
開催場所 青森県
参加人数 12名
対象者

本セミナーは以下の条件を満たす方を対象にしています。

  • セミナー参加時点で理工学系の大学3年生〜修士1年生
  • 海洋開発分野において、活躍する意志がある
  • 利用施設等が定める安全対策に従える
  • 応募時点で日本国内の大学・大学院に在籍している理工学系かつ日本国籍の学生
  • セミナーの広報の為、プログラム風景を含む個人情報をウェブ等にて公開することについて同意できる
  • オーシャンイノベーションフェローアルムナイ(同窓会)の活動に参加できる
  • 体力に自信のある方
  • 以下の禁止事項に同意できる方
    • 広告・宣伝などの営業活動もしくは営利を目的とする行為、又はその準備を目的とする行為
    • 特定の宗教による布教活動もしくは選挙協力を依頼する行為
    • その他、法律、法令もしくは条例に違反する行為、又はその恐れのある行為
参加費 無料
奨学金 旅費の補助を目的とした奨学金を支給します。支給額には上限があります。
  • 参加費は無料です。
  • セミナー参加中の受講費、移動費、宿泊費、食費などは原則主催者が負担します。
  • 希望者には、下記表の規定に基づき旅費・交通費の一部を定額で補助します。
  • 自宅から集合場所、解散場所から自宅までの交通は参加者ご自身で手配してください。
  • 支給については、セミナー終了後のアンケート回答が確認された後に参加者本人名義の金融機関へ振込みます。
大学所在(都道府県別) 支給額
青森県 4,300円
岩手県 10,000円
秋田県 13,700円
山形県、宮城県 22,000円
福島県 26,000円
北海道 35,500円
茨城県、山梨県、栃木県、群馬県 37,000円
東京都、埼玉県、千葉県、神奈川県 38,200円
静岡県 38,500円
長野県 42,600円
新潟県 46,000円
愛知県 47,000円
三重県 52,000円
岐阜県 60,500円
福井県、石川県、滋賀県、京都府、大阪府、兵庫県、奈良県、和歌山県,鳥取県、島根県、富山県、岡山県、広島県、山口県、徳島県、香川県、愛媛県、高知県、福岡県、佐賀県、長崎県、熊本県、大分県、宮崎県、鹿児島県、沖縄県 65,000円
参加に際しての服装 アウトドア用の動きやすい服装で参加ください。

参加学生の体験談

長崎大学

松本 有生

今回のセミナーでは、漁業協調について様々な分野の大学生達と議論することが出来ました。私は、大学でも漁業協調については勉強していましたが、どうしても水産寄りの考えや問題把握をしていました。しかし、このセミナーに参加し、漁師や洋上風車関係者の人達、仲間達と意見交換をしたことで、より広い視野で漁業協調について考えることができるようになったと思います。風車に登ることやホタテ漁体験なども貴重な体験でしたが、海洋開発をこれから支える学生達と交流し、横の繋がりを持てたことが最高の収穫だと感じてます。

横浜国立大学

桃井 蓮

本セミナーでは、洋上風車を導入しようとする際に何を考える必要があるのかを学ぶことができたと思います。漁業従事者の方々や風車の事業に携わる方々と交流することができたのは非常に大きいと思います。彼らがどのような考えを持っているのかが分かり、実際に言葉を交わすことの重要性が理解できました。僕の地元に洋上風車を導入するにはどうすればいいか、ということを考えながら今回のセミナーに参加することができ、大変有意義な時間を体験することができました。得られたコミュニティも非常に貴重で、今回のセミナーに参加できて本当に良かったです!

秋田大学

永野 哲太

プログラムに参加させていただいて、たくさんの出会いができたことが本当に良かったです。現場で風車の点検をする人、漁師の人、風車を建設したい研究者の思いを踏まえて全国から集まった大学生と意見を交わしたことは私の大きな財産になりました。思いつかない考えや発想には毎日が驚きと発見の連続でした。これからは洋上風車と漁業の共生を考えられる人間になれるよう励んでいきます。また、洋上風力と漁業で共生するためには一方が必ず我慢しなければならない部分が出てきて、妥協点なしでの共存は見つかっていないです。そのため私たちは今後もそれらの立場に立って悩みながら、最善の解決策を探し続けることが使命だと感じました。

大阪大学

川島 史也

本セミナーを通して洋上風力発電と漁業との関係について深く考えることができたと思います。実際に風車のメンテナンスを行なっている方と風車に登ったり、漁業関係者の方に洋上風力発電について直にお話を聞くといったこともかなり貴重な経験になりました。また、地域経済と洋上風力発電とのかかわりや、洋上風力発電が漁業へ与える影響など自身の研究内容とは異なる分野について学べ、洋上風力発電について多角的な視点から見られるようになったと感じています。加えて他大学の学生との交流もとてもいい経験になり、他分野の学生とディスカッションできたのもいい刺激になりました。

大阪大学

小田 貴大

風車登頂で規模感や機械設備など「風車」というものを実感できたことは、今後自分が洋上風車やエネルギーについて勉強していく中で、多くの学生がこの経験をしたことが無いという意味でも非常に大きな経験となりました。漁業体験では漁師さんの漁への想いや洋上風車設置に対する見解を知り、地域の人々の声を実際に聞くことの大切さを学ぶことができました。またグループで議論を交わし、多角的な視点で考える力を養うこともできました。これら体験したことを、今後の自分の人生だけでなく周りの人との関わりにも活かしていけたらなと思います。5日間お世話になった関係者の皆様、本当にありがとうございました。

東京海洋大学

石川 采燈

私は春に参加した台湾研修で、洋上風力設備を増設する方針に対し疑問を持ちました。沿岸地域や船員の人口減少が続く現状では、建設後のメンテナンス担当者が不足すると感じたためです。今回の研修では陸上風車の見学があり、実際に設備を見ることで自身の疑問に答えが見いだせると思い参加しました。研修では、風車内の作業環境の過酷さと、漁業体験時のお話から地域の人口減少を知りました。同時に、国内の電力事情に関する講義では洋上風力を増設する必要性についても学びました。これらの経験から、私はメンテナンスレスで運用可能な洋上風力設備の開発が必要だと考えます。今後はこの開発に必要な要素について検討を重ねたいです。

カリフォルニア州立大学モントレーベイ校

本木 慈人

今回は、青森県で洋上風力発電と地域共生のあり方を学ばせて頂きました。その中で、実際に風車に登らせて頂いたり漁業体験をさせて頂き、沢山の事を学ばせて頂きました。また、色々講演してくださったり、地元の漁業組合の方の素直な洋上風力発電に対する意見を知ることができ、とても充実した現場体験セミナーでした。このセミナーで出会った他の学生と将来また海洋開発の場で会える事を楽しみにしています。

北海道大学

松尾 周佳

このようなセミナーに参加する機会をいただきありがとうございました。水産系の大学院に所属している自分にとって、工学部などの他学部の学生と今後の洋上風力について議論を重ねることでより理解を深めることができただけでなく、自分とは全く異なる視点から見えてくる考えを知る良い機会になりました。また、漁業体験や風車登頂など普段なかなかできないような貴重な経験をすることができ、とても良い思い出になりました。本セミナーで学んだことを今後に生かしていこうと思います。

横浜国立大学

矢能 元気

今回のセミナーにおいて、洋上風力発電と地域の協調、風車登頂による運用・点検の大変さ、漁師の方との交流など、研究だけでは得られない体験ができました。具体的には、風車の部品製造などに地域の中小企業を活用することによる地域活性化や、どのような漁法の漁師の方が反対し、懸念点も細かく知ることができました。また、水産など多分野の学生と関わることができ、視野が広がりとてもいい経験となりました。研究や将来において多面的な視点は非常に重要になると思うため、大事にしていきたいと考えています。最後に、本プログラムにご尽力頂いた皆様方に感謝申し上げます。本当にありがとうございました。

弘前大学

野呂 健人

この青森の漁業と洋上風力発電のセミナーに参加して1番驚いたことは、"洋上風力発電に対して、漁業に携わっておられる方々は、必ずしも、反対というわけではなかった"ということです。実際に野牛漁港で帆立漁をされている方々のお話を聞くと、地域の置かれた現状を背景に"風車は洋上で進めて欲しい""風車は洋上では目印にもなりうるのでは"といった、これまでの私の固まった考えを崩していただきました。このほかにも様々な体験をさせていただき、他のセミナーで習得したGWOのBSTの知識や経験を使って風車に登り、ナセルからの眺めを見て、本当に感動しました。このセミナーに関わって頂いた皆様、本当にありがとうございました!!

北海道大学

山崎 祐人

充実した内容の5日間があっという間に過ぎました。5日間で様々な分野を学ぶ貴重な機会を得ました。私は大学で水産学を専攻していますが、異なる専門分野のアプローチや考え方を知ることで、より多様な視点を持つことができることに気付きました。これからは狭い枠にとらわれず、広範な視野を持って問題解決や学問に取り組んでいきたいと考えています。また、風車の登頂や漁業体験など、なかなか得ることのできない貴重な経験を通じて五感を使って学ぶことができました。関係者のみなさま、心からお礼申し上げます。

東京大学

土田 慶一

研究室で洋上風車の研究をしていたこともあり、今回のセミナーに参加しました。本セミナーでは、風車の登頂や漁業体験、市長との対談など普段体験できないことばかりを体験でき、とても勉強になりました。また約1週間という期間を通して、日本各地から参加した学生達と親睦を深め、洋上風車と漁業のあり方について意見交換を行えたのは貴重な経験でした。とても楽しく、学びの多いセミナーでした。今回のセミナーで得た経験を今後の研究や将来の進路に活かしていこうと思います。

※順不同

スケジュール

  • 0日目
    7月23日(日)

    各自青森市内へ。ホテルルートイン青森駅前に各自チェックイン

  • 1日目
    7月24日(月)

    青森県のエネルギー政策,企業が取り組む地域振興策について知ろう!

    10:00
    ワラッセ集合・オリエンテーション
    11:00
    弘前⼤学地域戦略研究所本⽥明弘教授講演
    12:00
    昼食(弁当)
    13:00
    東北経済産業局 講演
    14:00
    青森県エネルギー開発振興課
    15:00
    休憩
    15:15
    グループディスカッション①
    15:45
    青森市 西秀記市長 訪問
    16:30
    ホテルルートイン青森駅前、以降夕食(各自)
  • 2日目
    7月25日(火)

    風力発電を知る

    08:30
    青森市発、車中で通過自治体の説明
    10:00
    横浜町ふれあいセンター着
    10:15
    ユーラステクニカルサービス 講演・風車登頂に係る手続き等
    11:30
    昼食(弁当)
    12:45
    ユーラス大豆田ウィンドファーム移動
    13:00
    風車登頂
    16:30
    ウィンドファーム発
    17:20
    プラザホテルむつ
    17:30
    グループディスカッション②
    18:00
    夕食(各自)
  • 3日目
    7月26日(水)

    洋上風力発電の地域・漁業協調

    09:00
    地域振興の考え方について講演(AWEPC事務局)
    10:30
    洋上風力発電の地域経済波及効果についてご講演
    (公益財団法人自然エネルギー財団 山東晃大上級研究員)
    12:00
    昼食(弁当)
    13:00
    洋上風力発電と漁業協調について 講演(弘前大学地域戦略研究所 桐原慎二 特任教授)
    14:30
    野牛漁業協同組合について及び漁業者が思う洋上風力について講話
    15:30
    グループごとにディスカッション③
    17:00
    夕食(プラザホテルむつ)
    終了後,各グループミーティング
  • 4日目
    7月27日(木)

    水産業を体験する

    【ホタテ漁・⼀本釣り】※時化や漁業操業状況による変更もあります。

    04:20
    プラザホテルむつ発
    04:45
    野牛漁港着
    05:00
    出港
    10:40
    帰港
    12:00
    野牛漁港発
    14:30
    漁業体験で獲った魚について評価を受ける(価格付け)(菜のはな)
    15:00
    ホテル青森移動,チェックイン
    15:15
    グループディスカッション(ホテル青森)④
    18:00
    「菜のはな」で夕食
  • 5日目
    7月28日(金)

    洋上風力発電と地域・漁業協調の手法を考える

    09:00
    グループワーク(ホテル青森
    11:00
    プレゼン「学生が考える洋上風力と漁業の共生のあり方」
    12:00
    解散・終了

■セミナー終了後

  • セミナー終了後
    2週間以内

    アンケートに回答する。
  • セミナー終了から
    約1か月後

    奨学金が振り込まれる。

過去の開催報告

2020年 日本財団オーシャンイノベーションコンソーシアムの開催報告はこちら
弘前大学 地域戦略研究所の開催報告はこちら
2021年 日本財団オーシャンイノベーションコンソーシアムの開催報告はこちら
弘前大学 地域戦略研究所の開催報告はこちら
2022年 日本財団オーシャンイノベーションコンソーシアムの開催報告はこちら

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