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学生向けイベント

【海洋開発の知識・経験を身につける】

開催報告

青森県で風車に登って風を読む!
全国トップクラスの風力発電導入量を誇る青森県で
陸上風車の登頂体験や漁業者/自治体との意見交換を通じて
風力発電事業における環境整備の一環を学ぶ

日本財団オーシャンイノベーションコンソーシアムでは、海洋開発人材の育成のため、海洋開発に関連する講義と現場視察を組み合わせたセミナー等を実施しています。

今回のセミナーの開催場所、青森県では、2020年7月に洋上風力発電の開発を先行的に進める「有望な区域」として、同県の沖日本海(北側・南側)が選定されました。今後「海洋再生可能エネルギー発電設備の整備に係る海域の利用の促進に関する法律」に基づく「促進区域」の指定が見込まれています。 政府も、「2050年カーボンニュートラルに伴うグリーン成長戦略」を発表し、将来の主力電源の1つである洋上風力発電の利用拡大に向けた導入計画を決定するなど、洋上風力発電に追い風が吹いています。

今回のセミナーでは、この青森県で陸上風車に実際に登頂し、その構造や保守業務に関する知識を取得するとともに、地元ステークホルダーとの対話を通じて国内で導入拡大が見込まれる洋上風力発電事業における環境整備について理解を深めることを目的として開催しました。

参加学生の体験談

東北大学 B2

武田 与

はじめに、新型コロナウイルス流行により教育的機会が失われている中で、貴重な機会を私達学生に与えて下さり感謝致します。このセミナーを通して、新たな扉を開く事が出来ました。参加前の無知な私は、日本の風力発電をほぼ全て誤解していました。参加後の今、日本の風力発電を考えるのではなく、未来のためには、日本で日本のための風力発電を日本人が考える必要性に気づきました。今回学んだことは専門分野だけで無く、日本で生きる全ての人が使うエネルギー、つまり広義の社会勉強です。誰もが責任を持ち、作り使う未来を考えて行きたいです。

早稲田大学 B3

加藤 碧

大学ではエネルギーを専攻していますが、諸外国の化石エネルギーに対する意識と日本のものの違いに愕きました。大学の教授からも聞いたことがない内容を、実際に目で見て確認できたこの機会はとても貴重なものでした。来年はぜひ長崎の洋上風力発電をこの目でみたいと思います。

弘前大学 B3

佐藤 元拓

今回のセミナーでは、現場でしかできない体験、現場の生の声を実際に聞くことができた貴重な経験を積ませて頂きました。洋上風力導入に対する前向きな言葉を聞くことができたと同時に、メンテナンスの苦労、導入地点の住民や漁協への理解の意見を知ることができました。メリット・デメリット双方をしっかりと受け取り、どうすれば導入につながるのかを自身で整理する良い機会でした。他にも、様々な方とのつながりが増えるという意味では参加する意義はありました。少しでも関心のある方は実際に自分の目で、肌で触れてみて頂きたいです!

京都大学 B3

松平 広康

私がこのセミナーで最も印象に残っている体験は実際の風車の中を覗いてみることである。私の専攻分野は理論物理学であるのだが、勉強を進めていくうちに抽象的な話が多くなり、いつどこで使うのかわからない知識を頭に詰め込むことに辟易していた。しかし、風車の中に入り、風車がどのように動いているのかをみることで、自分が学んでいる抽象的な知識が、現場でたしかに活用されていることを知ることができた。これにより、自分の専攻分野の勉強へのモチベーションを高めることができた。

京都大学 B3

川亦 正哉

正直なところ、参加申し込みをする際には漠然と「青森に行きたい」という気持ちのもと申し込んだ今セミナーでしたが、非常に有意義で密度の濃い3日間を過ごすことができました。いい意味で将来の意思決定に影響を与えてくださった、そんなセミナーでした。特に、風車登頂に関しては観光等で登ることはできず、インターンやその仕事に就くことでしか体験できないようです。そのような体験をできたことは非常に貴重であったと感じます。知識をつけた状態で、来年も参加したいと思う、そんなセミナーでした。

東京理科大学 B3

大河原 翔希

私は、再生可能エネルギーについての具体的な職業内容について学びたいと思い、今回のセミナーに応募しました。セミナーに参加させていただいたことでそのことについて知ることができ、さらに、他の参加者たちと交流できたことがとても良い刺激になりました。先輩方の研究内容、どうしてその研究を選んだか、同学年の参加者がどのようなことを行動に移しているのか、などを聞いて自分の将来を考える上で参考になりました。今回のセミナーで学んだことを自分の研究に活用していきたいと思います。参加することができて本当によかったです。

東京海洋大学 B3

大日方 稜

三日間のセミナーで、風力発電の基礎的な仕組みや構成から、維持管理方法、そして発電所を受け入れる側の自治体の考えを知ることができました。ただ大学の講義で聞いているのではなく、実際に稼働している発電設備を見て、実際に登り、直接地域住民の方の話を聞くことがよりその内容を濃いものにしたと思います。特に風車の上から見た景色は、筆舌し難いものでした。コロナウィルスが流行している中でこういった貴重な体験をさせていただいたことに感謝したいです。

大阪大学 B4

菊井 健太郎

今回のセミナーで一番印象的だったのはやはり風車の登頂です。タワー内部に入ってみると延々と続く梯子に眩暈がする一方で、構造自体は非常にシンプルな筒であるということが良くわかりました。ナセル部分では発電機や冷却装置を見学することができ、その構造や役割をより深く理解することにつながりました。また、教授・企業・自治体・漁協の方など、いろいろな方のお話を聞けたのも貴重な体験でした。さらには同年代の学生との交流を通じて、各々の研究テーマや将来について語り合うことができたのも楽しかったです。

弘前大学 B4

宮古 あすか

今回のセミナーでは普段なら会うことがない様々な地域の大学の学生と出会い、それぞれの分野の話を聞くことができて楽しかったです。また、中泊町の町長さんが地域と洋上風力の共生する社会についてお話をしてくださったのを大変興味深く聞いていました。洋上風車の基礎でホタテを養殖するという計画を初めて知り、うまくいけば地域に愛される風車になるのではないかと思いました。風車の登頂を一番楽しみにしていたのですが、天気が良く、登頂後にそのまま外に出ることができたのが気持ちよかったです。

神戸大学 B4

糸島 裕樹

今回の海洋開発現場体験セミナーでは多くの貴重な体験をする事が出来ました。その中でも1番の体験は風車の登頂でした。私は、大学の研究で洋上風車の周辺高さの風を研究しているのですが、研究を始めた頃から現在までコロナウイルスの影響で現場に行くことは難しい状況です。そのような状況で、今回風車のある現場へ行き、更に登頂もさせていただいたという経験はとても大きな収穫になり、今後の研究に生かす事が出来ると思います。最後になりましたが、開催してくださった関係者の皆様に感謝申し上げます。

長崎総合科学大学 M1

中村 拓人

今回、日本財団さんが主催するセミナーに初めて参加させていただきました。私の大学では、船舶について学ぶことが多く、再生可能エネルギーについて学ぶ機会があまりなかったため今回のセミナーを参加させていただくことにより、大学では学べなかったことがセミナーを通し学ぶことができ、現地(青森)の風力に対しての取り組み、方法、課題解決策、何よりただ風力を利用し電力に変えるだけではなく、プラスアルファで有効活用をするなど新たな視点が見つかり、他の開発をする際にもこの考えを持っておくことが大切だと感じた。今後生かしていきたいです。

日本大学 M1

塩島 宇晶

今回の海洋開発現場体験セミナーを通じて様々なことを学びましたが、1番の思い出となったのは風車登頂です。最初は不安でしたが、登り始めてみるとわくわくの方が大きくなっていきました。順調に登り続けナセルまで到達し、外に出たときは不安や恐怖が吹き飛ぶくらい絶景で、今でも鮮明に覚えています。今回のセミナーを通して風車構造、高所での安全確保、運用・保守業務の実際を学び、自分の中の知見が広がりました。また風車登頂は人生で1回あるかないかという貴重な体験でした。このような貴重な機会を設けていただいた本当にありがとうございました。

東京理科大学 M1

荻本 晃佑

洋上風力発電についての知識面はもちろん、それ以外にも非常に学びの多いセミナーでした。例えば、全く異なるバックグラウンドの学生や社会人と三日間共に過ごしながら意見交換することで、自分にはなかった新たな視野を発見できました。その中で、再生可能エネルギーの今後について深く考えさせられました。さらに、将来への高い志をもった学生と出会い、このような頼もしい仲間と共に社会で働く自分の将来を想像するとワクワクしてきました。今後、就職活動を経てどのような進路に進むにせよ、常に将来のエネルギーを考え、責任ある使い方ができる大人になりたいです。

日本大学 M1

藤田 大輝

私自身がセミナーに参加することに少し不安な部分があったが、参加してみると参加者には多種多様なバックグラウンドを持ち、多角的な方向からの質問や意見が多く、私の専攻分野での質問や意見を述べることができたので、その不安はいつの間にかに消えていた。このような雰囲気で三日間一緒に参加したことで現場体験だけではない貴重な体験をさせてもらえたと思う。また、現場を体験できたことで今後の活動に活かせそうな話をたくさん頂いたので参加して良かったと改めて思うセミナーであった。

※順不同

セミナーの様子

開催概要

主 催 日本財団 オーシャンイノベーションコンソーシアム
協 力
実施期間 2021年8月18日(水)〜8月20日(金)
開催場所 青森県
参加学生 14名
2020年の様子 日本財団オーシャンイノベーションコンソーシアムの開催報告はこちら
弘前大学 地域戦略研究所の開催報告はこちら

スケジュール

  • 8月10日(火)
    8月13日(金)

    事前講義(オンライン):風力発電の最新動向と日本の将来
    講師:日本風力発電協会 国際・広報部長 上田 悦紀様
  • 8月18日(水)

    午後
    講義 ①「風力発電を体験する」
    講師:弘前大学 地域戦略研究所 本田明弘教授
    • 青森県および北日本における風力への取り組み状況や洋上の風況、風車の基礎的な知識について解説。


    講義 ②「風車の種類と特徴、その歴史」
    講師:弘前大学 地域戦略研究所 久保田健准教授
    • 風車の種類、種類ごとの長所・短所について解説。


    風車設計ワークショップ
    講師:長崎海洋アカデミー 松尾博志コーディネーター
    • 画用紙を用いて、直径30cm程度の風車ブレードを制作し、小型の発電風車を完成。
    • 扇風機からの風で風車を回し、学生同士で発電電圧を競う。4.9Vの記録を出した学生が優勝。

  • 8月19日(木)

    午前
    イオスエンジニアリングサービス株式会社 の紹介
    風車登頂
    • ハブの高さ約65mの風車に登頂。ナセルまでは垂直梯子を使用して登る。

    監視センター、トレーニングセンター見学
    • 風力発電の運転保守に係る座学の後、トレーニングセンターや蓄電池、24時間監視センターを見学。
  • 8月20日(金)

    午前
    中泊町の洋上風力に関する取り組みの説明・意見交換
    • 濱舘町長による風力を軸にした地域振興や漁業との共生について意見交換。


    講義 ③「洋上風力発電と漁業」
    講師:弘前大学 地域戦略研究所 桐原慎二教授
    • 漁業権の成り立ち、日英の漁業権の比較、洋上風車の海洋や漁業に対する影響、再エネ海域利用法における風力発電事業の進み方について詳しく解説。


    青森県沖日本海(北側)漁業関係者との懇談  小泊漁協 成田直人 組合長
    • 漁業関係者が風力発電に対してどのような思いを抱いているのかを実情を交えながら説明。


    龍飛ウインドパーク風車見学
    • 竜飛風力発電所保安監督員の木村氏から話を伺い、ウインドファームの管理から採算性等について理解を深めた。


    龍飛崎灯台見学

    解散
  • 8月31日(火)

    振り返り(オンライン)

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