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2022年10月03日

学生向けイベント

開催報告

2022年09月20日(火)~2022年09月23日(金)開催 海洋開発現場体験セミナー:青森で風車に登って風を読む!

セミナーの目的

日本財団オーシャンイノベーションコンソーシアムでは、海洋開発人材の育成のため、海洋開発に関連する講義と現場視察を組み合わせたセミナー等を実施しています。
今回のセミナーの開催場所、青森県では、2020年7月に洋上風力発電の開発を先行的に進める「有望な区域」として、同県の沖日本海(北側・南側)が選定されました。今後「海洋再生可能エネルギー発電設備の整備に係る海域の利用の促進に関する法律」に基づく「促進区域」の指定が見込まれています。
政府も、「2050年カーボンニュートラルに伴うグリーン成長戦略」を発表し、将来の主力電源の1つである洋上風力発電の利用拡大に向けた導入計画を決定するなど、洋上風力発電に追い風が吹いています。
今回のセミナーでは、この青森県で陸上風車に実際に登頂し、その構造や保守業務に関する知識を取得するとともに、地元ステークホルダーとの対話を通じて国内で導入拡大が見込まれる洋上風力発電事業における環境整備について理解を深めることを目的として開催しました。

開催概要

主 催 日本財団 オーシャンイノベーションコンソーシアム
協 力 NPO法人 青森風力エネルギー促進協議会
弘前大学 地域戦略研究所
一般社団法人 日本風力発電協会(グローバル・ウインドデイ登録イベント)
開催日時 2022年09月20日(火)~2022年09月23日(金)
※現地集合は、09月20日(火)13:00頃に青森市内
※現地解散は、09月23日(金)12:00頃に青森市内
開催場所 青森県
参加人数 11名
対象者

本セミナーは以下の条件を満たす方を対象にしています。

  • セミナー参加時点で理工学系の大学3年生〜修士1年生
  • 海洋開発分野において、活躍する意志がある
  • 利用施設等が定める新型コロナウイルス染症への安全対策に従える
  • 応募時点で日本国内の大学・大学院に在籍している理工学系かつ日本国籍の学生
  • セミナーの広報の為、プログラム風景を含む個人情報をウェブ等にて公開することについて同意できる
  • オーシャンイノベーションフェローアルムナイ(同窓会)の活動に参加できる
参加費 無料

参加学生の体験談

東京大学

園田 拓也

実際の風力発電設備を見学したり、自治体や漁業者との意見交換を行ったりと、このセミナーでしかできないような非常に貴重な体験を数多く経験することができました。それと同時に、青森の豊かな自然を満喫でき、優しい県民の方々とお話しすることもできてまた青森に来たいと強く思いました。最高に楽しくて学びのある4日間でした!!

高知大学

藤井 南帆

洋上風力発電にとても興味があったため、今回のセミナーに参加させていただきました。初めての東北地方、他大学の学生との交流、そして風車登頂体験などすべてが非日常的な4日間でした。風車を登っているときは、怖くて梯子の下を見ることが出来ず、緊張して手も少し震えていたと思います。しかし頂上で見た景色がとても綺麗で、私にとって忘れられない体験になりました。同時に、普段風車に登ってメンテナンスを行っている方々への感謝の気持ちを忘れないでおこうと思いました。このセミナーが来年も開催されるのであれば、ぜひ後輩に勧めたいと思います。

東京大学

濱田 良太

今回のセミナーでは、実際に65mの風車に登るという今後一生できないような経験をすることができました。風車の上から見る海と風車が広がる景色は今でも心に残っています。講義で風車の工学的な技術を学ぶとともに、漁業体験、中泊町長のご講話を通じて地元の方々の洋上風車への考えをお聞きすることもでき、今後洋上風力を進めていく上での利点や課題を知ることができました。また、洋上風車に関心がある全国の学生の方々と交流できたことも、船舶海洋工学に関心がある自身にとって貴重な財産になりました。

東京海洋大学

山崎 美波

今回のセミナーで風車登頂や漁業体験、町長さんや漁師の方のお話を聞くなど、現場体験を通して風力発電についてより理解を深めることができました。このような現場の声を聞ける機会は貴重であり、大きな収穫になったと思います。また、ナセルからの眺めは言葉にし難いほど美しく、青森の自然を肌で感じることができました。風力発電が地域に経済効果をもたらすものにするだけでなく、風景に溶け込ませるなどその地域と一体化させることの重要性を改めて実感しました。

神戸大学

中田 晃輔

たくさんのことを新しく知り、そして貴重な経験もさせていただけた素晴らしい4日間でした。風力発電の上に登らせていただきましたが、そこから見える景色は本当に絶景で風力発電の素晴らしさ、大きさを改めて実感しました。また風力発電に関する町長さんや漁業組合長さんからのお話を聞くこともでき、技術の発展だけでなく既存の地域などとの協力や連携が非常に大事なことも感じることができました。このような貴重な機会を設けていただき本当にありがとうございました。この経験を自身のこれからに活かせるように努力したいと思います。

大阪府立大学

中村 奏瑛

今回のセミナーを通して、風車設置後の運用方法やメンテナンスの必要性について学び、漁師の方々のお話から洋上風力導入に対する考えを知ることができました。風車登頂の際は、登頂だけでなく実際に風車の内部を見学しながらその仕組みを知ることもでき、また天気が良かったので登り切った後の景色がとてもきれいでした。漁業体験では、漁師の方が熱心しサポートしてくださり、自分の手でサザエを獲ることができてとても嬉しかったです。滅多にできない貴重な体験を通して、体を動かしながら楽しく学ぶことができ、このような貴重な体験ができたことに感謝しています。

長崎大学

塩崎 豪

今回の海洋開発現場体験セミナーは風力発電について知見を広げる貴重な機会となりました。大学の先生方の風力発電についての講義に加え、濱舘町長と組合長の講話を通して風力発電と地域の共生や漁師の方の洋上風力発電に対する思いなど、実際の現場の考えや意見を知ることができたことや、風車登頂などを通してO&Mの一端に触れることができたことは私が風力発電に対して多角的な視点を持つきっかけになると思います。また、異なる大学の参加者と共にセミナーに参加し、様々な分野からの考えを知ることができたことも、今後の私にとっていい刺激となりました。

東京海洋大学

三岡 千夏

風車のメンテナンス業務を行なわれている方に点検内容などを説明していただきながら風車に登頂したことで、その作業内容の大変さや、重要さを学ぶことができました。また、漁業組合の方のお話を伺って、漁業に関わる方々が洋上風力発電についてどのような印象を抱いているのかについて、生の声を聞ける良い機会となりました。このような貴重な体験を通して、一つのプロジェクトに対して多方面の立場からの意見を取り込み、視野を広く持って将来の職務に取り組みたいと思いました。

東北大学

朝雛 えみり

このセミナーで特に印象深かった体験は、風車登頂です。私はモータや発電機に関する研究室に所属しています。実際に風力発電へ搭載されている発電機やギヤを見ることができ、研究意欲の向上へ繋がりました。また、風力発電のメンテナンスに携わっている方々、漁協組合の方々、水産、土木、エネルギーなど様々なバックグラウンドをもつ参加学生と意見を交換し、立場によって意見・見え方が異なることを改めて痛感しました。今後、エネルギー問題はさらに複雑になっていくと思います。そのときに課題を多面的にみることができる研究者になれるよう努めていきたいです。

日本大学

鈴木 健斗

初めは風車の登頂のみを目当てに参加した本セミナーでしたが、漁業体験や漁協の方々との交流、漁業組合長の方や中泊町長の方のご講演など貴重な体験ばかりで、本当に楽しく充実した四日間になりました。特に自分の中で経験できと良かったと感じたのが、他大学の学生の方々と交流できたことでした。皆さん向上心が高く、知識も豊富でしっかりとした考えを持っており、自分の未熟さを痛感しました。皆さんに遅れを取らないよう、今後さらに鍛錬に励みたいと思います。最後に本セミナーを開催して下さった日本財団の方々、サポートして下さった弘前大学の方々に感謝を申し上げたいです。今後も是非日本財団様のイベントに参加したいです。

弘前大学

高屋 敷百花

風車に登頂したり、監視センターを見学したりと普通はできない貴重な体験をすることができました。風車の高さを数字ではわかっていても、実際に自分の足で登頂してみると、それだけで精いっぱいで日々のメンテナンスの大変さを実感しました。監視センターではリアルタイムで送られてくる風車のデータに対してどのような対応をしているのか説明していただき、現場での働き方を想像することができました。また同じように風車や海洋に興味を持って勉強している他大学の学生と研究について交流することができたのも嬉しかったです。

※順不同

スケジュール

  • 09月20日(火)

    13:00
    「青森商工会議所」に集合
    13:30
    オリエンテーション・青森クイズ大会
    14:00
    講義1 弘前大学 地域戦略研究所(本田明弘教授)
    O&M(オペレーション&メンテナンス)の重要性について学びます。
    1. 風力発電をめぐる国際、国内動向
    2. 風力発電機の原理
    3. O&Mが必要な理由とその効果
    4. 洋上風力への展開
    15:00
    講義2 弘前大学 地域戦略研究所(桐原慎二教授)
    青森県における風力と漁業の現状について学ぶ。
    1. 我が国で洋上風力発電導入に漁業者の理解が求められる背景
    2. 漁業と洋上風力発電の協調のあり方
    3.翌日の漁業体験の説明、注意事項
    夕食
    青森市内泊
  • 09月21日(水)

    08:00
    ホテル発・バスにて六ケ所村へ移動
    09:00
    イオスエンジニアリングサービス株式会社の紹介
    09:30
    A班:風車登頂 (垂直梯子65mの陸上風車へ登頂し、O&Mを疑似体験)
    B班:監視センター、トレーニングセンター見学
    12:00
    昼食(弁当)
    13:00
    A班:監視センター、トレーニングセンター見学、B班:風車登頂
    15:30
    質疑応答~バスで青森市内へ移動
    17:30
    五所川原市内泊
    夕食
  • 09月22日(木)

    07:00
    ホテル出発 バスで中泊町へ移動(周辺の風車を眺めながら)
    07:45
    漁業体験・荷捌き場集合
    4班に分かれて4隻に乗船 釣り漁3、磯まわり漁1
    08:00
    出港
    08:15
    高層魚礁設置海域着、風況観測塔(メットマスト)見学、漁業体験開始
    09:00
    中泊漁協婦人部の皆さんと魚さばき
    10:30
    講和:中泊町 濱舘豊光町長
    漁業と洋上風力に関する中泊町の現状について理解を深めます。
    11:50
    講話:小泊漁業組合 成田直人組合長)
    12:10
    昼食(組合長・漁協の皆様とサザエカレー、旬の魚介類の網焼き等)
    13:30
    バスで八甲田丸へ移動(青森駅前)
    15:30
    講義③ 弘前大学 地域戦略研究所(久保田健准教授)
    風車を活用した地吹雪対策について学ぶ。
    1. 風力エネルギーの多様な利用
    2. 揚水、送気→水産業利用
    3. 発電→地吹雪対策
    4. 発熱→農業利用(ハウス)
    夕食
  • 09月23日(金)

    10:00
    八甲田丸に集合(青森駅前)
    10:30
    講義④ 弘前大学地域戦略研究所(本田明弘教授・久保田健准教授)
    風車周りの流れの可視化を体験します。
    1. 普段は見られない風車の周りの流れを視て、発電量との関係を見(タフト法による風の可視化)
    2. 翼ピッチ角をパラメータに、発電量と流れの関係
    3. 風向角度をパラメータに、発電量と流れの関係
    4. 降雪を用いた風車後流の可視化(ビデオ)
    12:00
    昼食・解散

過去の開催報告

2020年の様子 日本財団オーシャンイノベーションコンソーシアムの開催報告はこちら
弘前大学 地域戦略研究所の開催報告はこちら
2021年の様子 日本財団オーシャンイノベーションコンソーシアムの開催報告はこちら
弘前大学 地域戦略研究所の開催報告はこちら

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