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2024年08月21日

学生向けイベント

開催報告

2024年8月3日(土)~4日(日)開催海洋開発現場体験セミナー
海洋科学掘削の舞台裏:地球深部探査船「ちきゅう」を知る2日間

セミナーの目的

「ちきゅう」は、国立研究開発法人海洋研究開発機構(JAMSTEC)が運用する日本最大の科学掘削船であり、世界最高水準の掘削能力を持っています。2005年に完成し、巨大地震・津波の発生メカニズムや、海底下に住む生命の存在などを明らかにすることを目指してきました。また、新たなエネルギー源として注目されているメタンハイドレートなどの資源調査にも携わっています。

本セミナーは、「ちきゅう」に関する講義と船内見学を通して、海洋開発に関する最先端の取り組みや技術について理解を深めること、そして未知とされている課題に取り組む面白さを体感してもらうことを目的として実施いたしました。

開催概要

主 催 日本財団オーシャンイノベーションコンソーシアム
協 力 海洋研究開発機構(JAMSTEC)
開催日時 2024年8月3日(土)~4日(日)
開催場所 静岡県 清水港
※「ちきゅう」船内での開催ですが、船は清水港に2日間停泊した状態であり、出航はしません。
募集人数 20名
参加人数 19名
対象者

本セミナーは以下の条件を満たす方を対象にしています。

  • 将来日本において海洋開発に携わることを目指している方
  • 日本国籍の大学生3年、4年、大学院1年生、博士課程に進学予定の大学院2年生
  • 参加について、所属大学の指導教員等からの承諾を受けられる方
  • 利用施設等が定める新型コロナウイルス染症への安全対策に従える方
  • 利用施設が定める服装規定を順守できる方
  • 広報目的でのプログラム風景を含む個人情報をウェブ等での公開に同意できる方
  • オーシャンイノベーションフェローアルムナイ(同窓会)の活動に参加できる方
  • 年1回実施する「就職先・進学先アンケート(匿名)」に回答できる方
  • 終了後2週間以内に所定の書式にてアンケートを提出できる方
  • 以下の禁止事項に同意できる方
    • 広告・宣伝などの営業活動もしくは営利を目的とする行為、又はその準備を目的とする行為
    • 特定の宗教による布教活動もしくは選挙協力を依頼する行為
    • その他、法律、法令もしくは条例に違反する行為、又はその恐れのある行為
注意事項

「ちきゅう」に乗船するにあたり、JAMSTECが指定する注意事項に同意する必要があります。また、健康状態について医療申告書を提出する必要があります。これらは、参加が決定した方には後日必要書類を送ります。

以下に当てはまる方は、ご参加できません。

  • セミナー当日に発熱等の風邪症状がみられる方
  • 骨折している方(船内において自力でタラップを登っていただく必要があるため)
参加費 無料
過去の開催報告

スケジュール

  • 7月上旬

    日本財団から参加に必要な書類一式を参加者の自宅宛に送付します。
    各自で書類を準備し、期限までに指定の宛先に提出してください。

    提出期限:7月1日必着

    提出先:
    〒107−8404 東京都港区赤坂1丁目2番2号日本財団ビル
    公益財団法人 日本財団 海洋事業部 ちきゅうセミナー宛

    提出書類:
    ①「ちきゅう」乗船同意書
    ②個人医療申告書
  • 0日目
    8月2日(金)

    静岡駅周辺のホテルに宿泊 ※全体集合はしません。
    静鉄ホテルプレジオ 静岡駅南
    〒422-8067 静岡県静岡市駿河区南町13−21
    JR静岡駅から徒歩2分
    禁煙シングル・朝食あり・支払い不要

  • 1日目
    8月3日(土)

    8:30
    ホテルまたは清水駅からタクシーで移動(調整中)
    10:55
    「ちきゅう」乗船
    11:15-11:55
    ・安全講習、船内生活の注意事項
    ・プログラムについての説明
    12:05-12:55
    昼食
    13:00-14:00
    イントロダクション
    14:00-15:00
    講義1:海洋科学掘削とは
    15:15-16:15
    講義2:海洋調査にかかわる仕事の紹介
    16:15-17:35
    船内見学1:船橋、ヘリデッキ、ラボの見学
    17:35-18:15
    夕食
    18:15-19:00
    自由時間 ※適宜入浴等
    19:05-21:35
    サイエンスカフェ
  • 2日目
    8月4日(日)

    5:00-7:00
    朝食
    7:15-8:00
    講義3:「ちきゅう」に関わる技術の紹介
    8:10-9:50
    船内見学2:ムーンプール、ライザーパイプ、機関室
    9:50-10:20
    避難訓練
    10:20-10:50
    船内見学3:岸壁から船体解説(船首から船尾へ)
    10:50-12:15
    船内見学4:コアカッティングエリア、リグフロア、シェールシェーカー、マッドポンプ
    12:15-13:00
    昼食
    13:30-14:30
    まとめ、修了式
    履修証明書を授与します
    14:30-15:00
    質問タイム
    15:00
    「ちきゅう」下船
    15:30
    JR清水駅前解散
  • セミナー
    終了後
    2週間以内

    アンケートに回答する



  • セミナー
    終了から
    約1か月後

    奨学金が振り込まれる

参加学生の体験談

北海道大学

荒岡柊二郎

海洋地質学を学んでいる私にとって「ちきゅう」は憧れでした。本セミナーでは、1泊2日の短期間ながら「ちきゅう」の研究面、設備面、運用面、生活面、人間面などあらゆる側面に触れることができました。また、機械や船舶・海洋工学など普段は出会うことない分野の皆様とお話し、グループワークで切磋琢磨できたことも貴重な経験で、たくさんの刺激をもらいました。最も印象深かったのは、これからの海洋分野を担う研究者・技術者を育成していこうという強い意志、また「ちきゅう」への熱い思いをセミナーに携わっていただいた全ての方から感じたことで、私も海洋分野の研究開発に貢献したいと改めて思いました。本当にありがとうございました!

静岡理工科大学

永井秋輝

地球深部探査船「ちきゅう」のセミナーに参加し、海洋掘削技術や現場で働く方々の情熱に触れる貴重な体験をすることが出来ました。特に印象的だったのは最終日に行われた「何でも質問タイム」で、ラボ管理を担当する職員の方との対話が心に残りました。研究を支えるエンジニアの視点での貴重な話を聞くことができ、船上での研究を支える裏方の努力や工夫に感銘を受けました。この経験は、エンジニアを目指す私にとって大きな刺激となり、専門家と協力し、最良の結果を追求する信念を持つエンジニアとして成長していく決意を新たにしました。

北海道大学

高品太一朗

本セミナーではちきゅうに乗船し、ちきゅうでの研究事例や設備の説明をしていただきました。実際に乗船し、設備を目の前にして説明していただけるのは本セミナーならではだったのではないでしょうか。説明していただいたJAMSTECの方々は皆さん船に精通しており、実験装置について等の細かい疑問にも丁寧に答えていただきました。見学に加えて参加者とのグループワークも行いました。参加者は、大きな分類としては共通して地球科学に関心を持っていましたが、専攻(予定)分野はそれぞれ多様でした。活動を通して、異なる興味や知識を持つ人が適切に協力するとこんなに大きな力になるのか、と感動を覚えました。

東京大学

會田幸樹

私は地球深部探査船「ちきゅう」を知る2日間のセミナーの中で,海洋科学掘削に関わる講義,実際の掘削・科学分析の現場の見学,船上での食事や宿泊の体験を通じ,掘削による科学的知見が社会に還元されている舞台裏に多くの人の努力があることを実感しました.海洋科学掘削には,研究者だけではない様々な関わり方があることも学びました.海洋底は陸上に比べ探査が難しく,未だ謎がたくさん残されている場所であることも感じました.地球を丸ごと理解するためのちきゅうの役割は大きく,自分でも将来関わっていきたいと強く思いました.

神戸大学

山室怜大

船内に宿泊し、調査船をじっくりと見学できるということはとても貴重な経験であったと思います。海底下にある試料を採取分析するために、ちきゅうには工学や理学などを究めた様々な人々が乗船しています。また、このセミナーに集まった学生が学んでいる分野も様々でした。その皆様から海洋探査について広く様々なことを知ることができ、存在自体が未知であることを多く知ることができたことは、間違いなく海洋開発の見識を深めたと思います。海洋開発に興味がある人は必ず楽しめる内容であったと思います!お世話になった皆様、ありがとうございました!

長岡技術科学大学

御山莉央

今回のセミナーで2日間とは思えないほどたくさんのことを勉強させていただきました.船の仕組みや海洋掘削の様子,様々なお話をプロの方に聞くことができました.サイエンスカフェでは班員で話し合って難しい問題の結論を出すという体験をすることができました.船の上だけど陸にいるような制御システムや最先端の研究設備にとても感動しました.船員の方やほかの学生の方,様々な専攻の方々とお話ができ,とても楽しく貴重な体験でした.ありがとうございました.

広島大学

井野嵩才

私はエネルギー問題に関心があるため、メタンハイドレートの資源調査にも関わる「ちきゅう」には以前から興味がありました。セミナーでは、実際に採掘に使うライザーパイプや定位システムなどを見学することができました。「ちきゅう」の設備は海底油田の採掘に使うものとは内径が異なっていたり、コアサンプル採取のための様々な工夫が施されていることが感じられました。地学が専門ではない私の質問にも、JAMSTECやMQJの皆さんが分かりやすく解説してくださり、私の視野が大いに広がったことを感じます。本セミナーに参加できて本当に良かったです。

横浜国立大学

平川皓生

今回のプログラムは、ちきゅうで行われている研究のこと、どんな人たちがどんな思いで働いているかなどを知ることができた濃い2日間でした。見学では船の大きさや設備に圧倒され、講義では研究者や掘削を行う人たちの色んな思いを感じ取ることができました。また他の参加者との交流のなかで、自分とは全く異なる分野を学ぶ学生たちとの会話は刺激的で驚くことばかりでした。他の船とは全く違うちきゅうに乗ることができる貴重な機会を得ることができ本当に良い経験になりました。

佐賀大学

本多哲也

本セミナーでは、「ちきゅう」について知れる濃い2日間を過ごすことができました。また、船内見学やサイエンスカフェ等の貴重な経験を通じて、実践的に海洋科学掘削の最前線を学ぶことができました。本セミナーに参加する前は、「ちきゅう」は調査を行うだけの調査船だと思っていました。しかし、船内見学を通じて、研究機器が陸上の研究施設に匹敵するぐらい整備されており、海上で研究を行う施設に近い印象を受けました。それから、異なる研究分野を行う学生達と交流する機会があり、研究の話や今後の進路について深く語り合うことができました。今回のセミナーをきっかけに、より海洋開発に携わっていきたいという思いが強くなりました。

秋田大学

吉田陸

地球のロマンはこの「ちきゅう」で感じることができます。私たちの住んでいる星の謎を解き明かすためにちきゅうに乗船し、研究を行う研究者の気分を味わえた二日間でした。地震が絶えない日本でさらなる謎の解明が楽しみです。このセミナーには全国から様々な分野を研究している学生が集まってきていて、電波が通じにくくスマホが使えない環境で濃い交流ができました。特にサイエンスカフェでは、それぞれ違った視点の意見がでてきて非常に勉強になりました。ちきゅうでの非常に貴重な体験ありがとうございました。

東北大学

武井柊詩朗

本セミナーでは地球深部掘削船「ちきゅう」の活動内容や、現在の海洋開発について詳しく知ることが出来る濃密な2日間でした。特に印象に残っているのは、東日本大震災を引き起こした地震断層のコアを採取するプロジェクト:J-FASTについての講義です。東日本大震災を引き起こした原因を探っていく実際の様子を研究者から教えていただき、今後の学習へのモチベーションがとても高まりました。地球科学・海洋科学・船舶等を専攻しているみなさんにはもちろん、そうでない方にも様々な知見を教えてくれるとても良いプロジェクトだと思います。今回は貴重な機会をご提供くださりありがとうございました。

東京大学

横畑大樹

地球深部探査船「ちきゅう」のセミナーに参加し、初めて海洋科学掘削の世界を体験することができました。船内見学では様々な装置の揃ったラボエリアや大規模な掘削設備に終始圧倒され、夜のサイエンスカフェでは異なる分野の参加者とのディスカッションやグループワークが非常に刺激的でした。「ちきゅう」に乗船されている研究者との交流もあり、その知識と情熱に触れて大いに感銘を受けました。1泊2日という非常に短い時間でしたが、今後の研究や進路に対する視野が広がる貴重な経験となりました。最高に濃い2日間を本当にありがとうございました!

九州大学

中野瑞姫

研究者やクルーの方々が、どのような姿勢で前例のない課題に取り組んでいるのかを間近で知ることができました。特に、サイエンスカフェ(班対抗でちきゅうで起こりうるミッションを解決するプログラム)では、制限のある現場で、重要視するポイントを考え解決案を練り、それを論理的に提示することの凄さを実感できました。また、チームで動くことの難しさと魅力を再確認でき、他の学生の方から出るアイデアからも多くの学びを得られました。ちきゅうがミッションにどう取り組んでいるのか、その断片を知ることができ、今後に活かしていきたい貴重な体験ができました。

愛媛大学

関根荘生

普段乗ることができない掘削船に乗船でき、船内にある施設、機器などの配置やその役割の意味など海洋開発に携わる人が何を考えているのかを知ることができた。また、他大学の同じ分野を専攻している方やそもそも異なる分野を研究している方のお話を伺うことができ、新たな交友関係や知見を得ることができる良い機会でもあった。最も印象に残ったことはサイエンスカフェという活動で、グループ活動の役割分担の重要性やプレゼンテーションの能力を自分なりに磨ける中身の濃い時間であった。海洋開発に携わりたい人はもちろん他分野を専攻している人でも楽しめる素晴らしいプログラムだと思った。

東京海洋大学

山口太誠

海洋開発について包括的に学ぶ学部に所属している私にとって、海洋掘削は以前から非常に興味のある分野であり、実際の掘削現場で学びたいという思いが強く本セミナーに応募しました。ライザー掘削におけるライザー菅やBOPの連動に関する説明を受けた後、ドリラーズハウスやドリルパイプの見学もさせていただき、非常に大規模な海洋掘削のスケール感を肌で感じることができました。また、船のエンジンルームや操舵室のような運航管理を担う機関も直接目で見ることで、掘削船特有の安全航行に関しても総合的に理解を深められました。短い期間でしたが、様々なバックグラウンドをもつ学生と議論する機会もあり、充実し濃密な2日間となりました。

九州大学

鈴木杏輔

私は大学の講義で実際にちきゅうに乗船している研究員の方とZoomで繋いでお話を聞く機会がありその時からちきゅうに興味を持ったため本セミナーに応募しました。本セミナーで、JAMSTEC様がどの様な活動をされているのか、海洋開発や掘削のこれまでとこれから、実際の船内見学を通してちきゅうの魅力を存分に学ぶことが出来ました。また、船内で部屋が一緒になった人とも自身の専門について詳しく語り合うことが出来て、プログラム以外にも学びが多くありました。このような貴重な機会を設けて下さり本当にありがとうございました。皆さん是非参加してみて下さい!

京都大学

永井光洋

地球深部探査船で過ごした時間を通して僕は、 とまることで、科学は進む という学びを得ました。この船は、推進力の強さと方向を調整することで、海上での定点保持が可能です。このようなシステムによって、海底での掘削を安定して行えるのです。操舵室の見学を通して、探査船が一地点に留まることで、海洋科学掘削の歩みが進んでいることを学びました。加えて、絶海に浮かぶ人間らしい社会を垣間見られたことも、新鮮な学びでした。研究航海は、船員、研究者、掘削技術者などの、多くの方々の協力が不可欠です。この空間は、あたかも宇宙船のようです。これからも、宇宙船「ちきゅう」号の航海を見守っていきたいです。

神戸大学

長谷川裕也

地球深部探査船「ちきゅう」のセミナーに参加し、その規模や技術力に圧倒されました。掘削船の内部や作業設備を実際に見学し、研究者や技術者との交流を通じて、海洋科学の最前線での挑戦を肌で感じました。異なる分野の学生たちと共にグループワークに取り組むことで、新たな視点や知見を得ることができました。この経験は、今後の研究やキャリアに大きな影響を与え、海洋科学や掘削技術への興味をさらに深めるきっかけとなりました。

筑波大学

駒木野照太

「ちきゅう」の海洋科学掘削に興味があり、いつか乗ってみたいと思っていたのでこのセミナーに応募しました。港からちきゅうを見た時はその大きさと迫力に目を奪われましたが、船内の見学を通してちきゅうの優れた技術と働く人の情熱に更に驚かされました。海洋科学掘削やちきゅうの技術について現場で働いている人たちから話を聞いたり、実際に船内を見学したりする事で、本やインターネットの情報だけでは分からない海洋科学掘削における現場の臨場感を肌で感じる事ができました。またサイエンスカフェなどで様々な分野の学生と交流する中で、海洋掘削や海洋開発に対する視野が広がり貴重な経験となりました。

※順不同

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