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学生向けイベント

開催報告

2022年12月2日(金)〜12月4日(日)開催まだ脱出したことがない方におすすめ!
海に不時着したヘリコプター*から緊急脱出して浮体式洋上風車へ辿り着こう!
*室内での訓練です。

日本財団オーシャンイノベーションコンソーシアムでは、海洋開発人材の育成のため、海洋開発に関連する講義と現場視察を組み合わせたセミナー等を実施しています。

今回のセミナーは海洋資源開発の2大分野である、海洋石油・天然ガス開発と洋上風力発電をテーマとして開催しました。

前半のプログラムでは、海洋資源開発分野に特有の安全課題についての基礎を学んだ上で、洋上の石油・ガス施設等へのヘリコプターによる移動に必要となる特殊な安全訓練を受け、一定の緊急事態に対応する知識・スキルを取得します。後半のプログラムでは、長崎県五島市沖の浮体式洋上風車の見学を行いました。

長崎県五島市沖は、2019年末に、政府による「海洋再生可能エネルギー発電設備の整備に係る海域の利用の促進に関する法律」に基づく「促進区域」に指定され、20年にはこの促進区域の第1号案件として事業者の公募を開始しました。技術的にも難しいとされる浮体式の洋上風車が8基建設される予定で、世界的にも注目を集めています。

政府の「2050年カーボンニュートラルに伴うグリーン成長戦略」においても、将来の主力電源の1つである洋上風力発電の利用拡大に向けた導入計画を決定するなど、洋上風力発電に追い風が吹いており、この分野の技術者の育成が求められています。

OPITO認証HUETコースについて

  • OPITO(Offshore Petroleum Industry Training Organization)は石油産業従事者の安全教育を普及させる目的で、「安全な作業標準や作業者の安全教育を普及するための組織」として英国に設立された組織です。
  • 今回受講いただくOPITO認証HUET( Helicopter Underwater Escape Training )は、洋上の石油・ガス施設等にヘリコプターで移動する人を対象として、ヘリコプターによって洋上施設に行き来することになる人が、飛行前・飛行中に必要な特殊な訓練を受け、特に浸水したヘリコプターから脱出することに焦点を当てたヘリコプター緊急事態に対応する知識・スキルを身につけるための訓練です。
  • この訓練を受講すると修了証を取得できます(4年間有効)。
  • このコース修了者は、修了証を提示することで、洋上の石油・ガス施設等にヘリコプターでの移動が可能になります(全ての施設ではありません)。

訓練イメージ

参加学生の体験談

東京大学

島崎 祐輔

本セミナーは海洋開発に係る研究に取り組まれている方や当該業界を志す方、ただ純粋に海が好きな方など全てのステークホルダーにとって満足できる内容だと思います!カーボンニュートラルやゼロエミが叫ばれる昨今、既存のエネルギーインフラに依存しないクリーンエネルギーの開発は急務であり、誰かが必ず達成しなければいけません。なかでも洋上風力は世界的なトレンドにあり、次時代を生きる私たちにとって、仮に直接関わらない方でも知っておきたい知識です!九州の風土や五島列島の地域住民の考えを直に学ぶことができるので、いつも携帯ばかり見ているz世代、特にアラ20の学生さんにとって刺激的な経験になること間違いなしです!

東京大学

園田 拓也

前半のヘリコプター脱出訓練も後半の洋上風車見学も、両方とも非常にレアな体験ができました!特に後半ではブレードを海上で取り付ける作業を見ることができ、自分の研究にとっても意義深くモチベーションがあがる体験になりました。五島めちゃめちゃいいところだったのでまた来ます!

北海道大学

松村 優作

今回のセミナーではヘリコプターからの緊急脱出訓練、五島列島での洋上風力発電の見学を行いました。私は将来海洋開発に関わる仕事を行いたいと考えているので、洋上作業で必要になってくる、海上でのヘリコプターからの緊急脱出の訓練を行っておきたいという思いから本セミナーに参加させていただきました。結果、無事に訓練を終えて資格を取得することができました。また、五島列島での洋上風力発電の見学では、エコなエネルギーである洋上風力が自然豊かな五島列島に見事に溶け込んでおり、そして次世代のエネルギーなんだなと強く実感しました。今後は五島列島のような美しい海を守っていくことに貢献していきたいと思いました。

東京大学

濱田 良太

今回のセミナーでは、洋上風力発電の構造物を実際に自分の目で見てスケールの大きさを実感し、またヘリコプターによる水中からの緊急脱出を経験することができました。普段の研究ではなかなか見ることができない実物の風車を見て、さらに海洋に興味を持つ同じ学生の皆さんから様々な話が聞けたことは、同じ海洋の分野である自身の船舶の研究にも必ず活かせると思いました。また五島では漁師さんの家庭で民泊を経験することができ、釣りや観光をさせていただいたことで五島が大好きになりました。本当にありがとうございました。

東京農工大学

秋山 海聖

普段は海洋開発に関連しない分野について研究していますが,「第九の波濤」という漫画に魅せられて洋上風力発電についての知見を深めたいと思い参加しました.実際に本物の洋上風車を間近にみられたこと,ヤード見学において洋上風車の材料や製造工程などを学ぶことができ,とても刺激的でした.また,自身が研究している内容が直結する部分もあるということを知ることができたことはとてもよかったです.その他にも,HUETでは事故の危険性や安全訓練の重要性について身をもって実感することができました.関係者の皆さん,本当にありがとうございました。

高知大学

八木橋 美紗樹

今回のセミナーを通して出会った人、見た景色、学んだ事の全てが刺激的であっという間の4日間でした。特に、HUETの水中脱出訓練は想像以上に体力を使うものでしたが、講義で学んだ事前確認の大切さや、異変を感じたら数秒でも残された時間で取る行動が命に繋がるのだと身をもって学びました。また、多様なバックグラウンドを持つ学生や五島市の皆さん、企業の方と交流できたことで、自分の価値観を見つめ直すと共に、知らない世界をもっと発掘してゆきたい気持ちが高まりました。今回得た感動は、今後の人生に必ずプラスの影響を与えてくれるに違いありません。本当にありがとうございました。

東京大学

森上 和成

本セミナーで最も印象に残っているのは、HUET訓練です。ヘリコプターには今まで乗ったことがなく、漠然としたイメージしかできていませんでしたが、安全な搭乗方法など、基礎的なことから講義をしていただくことで実技訓練に具体的なイメージを持って取り組むことができました。改めて、海の怖さを知ることの大切さと、海上で身を守ることの難しさを学ぶことができました。また、実際に浮体式洋上風車の見学も初めてで、実機を見ることでしかわからないことを多く学びとれました。最終日には漁師さんが営む民泊に宿泊させていただき、海洋利用に関する話に加え、近年の環境問題に関する話などを聞くことができ、貴重な経験になりました。

大阪公立大学

谷脇 好軌

本セミナーは洋上風力発電の現場というものをしっかり体感できるものでした。ヘリからの脱出、洋上浮体式風車やその工場の見学はもちろんですが、私は特に民宿での生活に学びがあったと感じています。地元の成り立ちを学ぶことはもちろん、そこに絡めてどう洋上風車が作用しているのかを直接伺うことができ、普段は聞くことのできない地元の方の素直な意見が得られました。その中でも特に漁業面において貢献していることが驚きであり、今後洋上風力発電を成長させていくにあたって共存関係をどう増やしていくのか、アピールしていくのかが重要となるため、これからは工学的な見方だけでなくコラボレーションを視野に含めてみようと思います。

東京理科大学

大河原 翔希

私は,大学でカーボンニュートラル実現に向けた洋上風力を含む全国の発電所の運用方法について研究しています。今回のセミナーでは,洋上風力の運用方法だけでなく,洋上風力の建設が完了するまでの過程について多くの学びが得られ,カーボンニュートラル実現には様々な観点の課題を解決しなければならないとより強く感じました。また,様々なバックグラウンドを持つ同世代の参加者の皆さんとお話ができ,たくさんの刺激を受けました。今回のセミナーで得られた知識と刺激をこれからの研究等に活かしていきたいです。最後に,本セミナーの関係者の皆さま,貴重な経験をさせていただきありがとうございました。

三重大学

田中 勇人

本セミナーで獲得できる様々な体験は,研究室での活動では得ることのできない自身の研究,就職活動に繋がる非常に貴重なものです.本イベントでは,洋上風力発電の建設,運用,課題など多くの事象を学ぶことができ,風力発電の新たな知見だけでなく,海洋開発におけるより実践的な知識の習得ができました.また洋上風力発電事業を行う五島列島での生活も体験することで,再生可能エネルギー事業が現地生活にどのように関連しているかを実体験することができ,海洋開発と社会環境の繋がり方を考察するきっかけになりました.本セミナーは海洋開発分野に興味関心を持つ学生にとって,自身の新たな創造を獲得できる絶好の機会になるはずです.

大阪大学

入船 和貴

私は今回のセミナーに参加して本当に良かったと感じています。それはセミナーを通して非常に貴重で、有意義な経験ができたからです。ヘリコプターの脱出訓練では、サバイバルトレーニングセンターの方々のサポートにより普段あまり運動をしない私でも、非常に安全に訓練を実施することができました。この脱出訓練を通して、海洋開発における安全管理の重要さを身に染みて感じました。また、五島沖の浮体式洋上風車の見学では重機船で風車のブレードを取り付けるという滅多に見れないであろう作業を見学することができ、洋上風車がどのように設置されているか、という普段とは違う視点から洋上風力発電への理解を深めることができました。

長崎大学

松本 有生

今回が初めての参加でしたが、同年代の海洋開発を夢見ている学生と共に学び、意見を交換できたことは本当に貴重な経験でした。また、自分1人ではできない貴重な学習プログラムがあるのも魅力的だと感じました。

日本大学

鈴木 健斗

サバイバルセンターでのトレーニングから、実際に稼働している浮体式洋上風車の見学、さらに施工現場の見学と初めてのこと尽くしの3日間であっという間に時間が過ぎてしまいました。サバイバルセンターでのトレーニングでは、救命具の扱い方やヘリコプターからの脱出方法、不時着した後にとるべき行動など、あらかじめ最悪のケースを想定しておくことの重要性を学ぶことができました。浮体式洋上風車の見学では、そのスケールの大きさと迫力に圧倒されると同時に、自分もこの分野に携わってみたいという思いが強くなりました。そんな風車がどのように施工され、設置海域に曳航されるか生で見られたことは本当に貴重な経験であったと思います。

弘前大学

荒谷 碩柊

北九州・五島における洋上風力事業の現在進行しているプロジェクトや現場ではどのようなことを行っているのか理解はもちろん、水中ヘリ脱出という普段では決して味わえないような経験をさせて頂き、洋上においての現場の人たち大変さと水の怖さについてよく学ぶことができました。また、私が青森県に住んでいるため、地域の違いによる風力への考え方の違いや取り組みの違いについても知ることができたと思います。

大阪大学

善 麻里亜

今回このセミナーには,日本の洋上風力の実態を体験を通して学びたいという思いから参加させていただきました.五島での洋上風車見学では貴重な海上での建設風景を目にすることが出来ました.ヤード見学では風車を組み立てる工程を実際に見て回りました.現場を目にすることで座学では生じ得ない新たな疑問が生まれ,より多角的な学びへとつながりました.また,セミナーの中にはヘリコプターからの水中脱出訓練が含まれています.サマースクールで石油プラットホームの事故について学び,海洋開発における緊急事態への対応も一度は経験しておくべきものだと考えていたため,とても貴重な経験となりました.

東京海洋大学

伊坂 日向

青い海に浮かぶ白く輝く風車――遠くに小さく見えていた洋上風力発電は、漁船で近づくと非常に大きく、そのスケールに圧倒されました。見学時は3基でしたが、将来的には8基設置され五島列島の電力供給を担うといいます。  ヘリコプターが着水したという想定で機体の模型から脱出する特殊な講習では、訓練項目を全てクリアし修了証も手にしましたが、このセミナーはそれだけではありません。志を持った他大学からの参加者と交流することで、非常に刺激を受けることができました。振り返ると非常に濃い3日間でした。関わった多くの方にこの場をお借りし、お礼申し上げます。

※順不同

開催概要

主 催 日本財団 オーシャンイノベーションコンソーシアム
協 力 NPO法人 長崎海洋産業クラスター形成推進協議会
日本サバイバルトレーニングセンター
戸田建設株式会社
実施期間 2022年12月2日(金)〜12月4日(日)
開催場所 福岡県北九州市及び長崎県五島市
参加学生 16名
2020年の様子 2020年の開催報告はこちら
2021年の開催報告はこちら

スケジュール

  • 11/18まで

    適宜
    医師の診断を受け、①健康状態確認書 を準備する。
    HUET受講に必要な以下の書類の原本を、11月18日必着で 日本サバイバルトレーニングセンターへ提出

    ①健康状態確認書(医者の診断、及びサイン必須)
    ②訓練参加のための健康状態申告書
    ③訓練に関する同意書
    ④個人情報の取扱いに関する同意書
  • 11/24

    12:15-12:40
    ・オンラインオリエンテーション(ZOOM)
  • 0日目
    12/1(木)

    JR九州 ステーションホテル小倉 に宿泊
    〒802-0001 北九州市小倉北区浅野1丁目1番1号  TEL 093-541-7111
    ・JR小倉駅に直結
    ・各自チェックイン
    ・朝食付き
    ・支払不要
  • 1日目
    12/2(金)

    6:30~
    ・朝食
    ・各自チェックアウト
    7:30~8:00
    ・ホテルロビー集合
    ・移動(小倉駅→日本サバイバルトレーニングセンター
    8:00~17:20
    HUETコース受講
    ・新型コロナウイルス感染症の抗原検査を実施
    ・「新型コロナ感染に関する訓練受講同意書」を提出
    ・イントロダクション
    ・講義:
    ●ヘリコプターでの移動
    ●ヘリコプターにおける緊急事態と危険性
    ●ヘリコプターからの脱出
    ●非常用呼吸具(EBS)
    ・実技:ヘリコプターでの緊急事態
    ●実技イメージはこちら
    ・まとめ、修了証授与
    適宜
    ・各自移動(日本サバイバルトレーニングセンター→博多港)
    ※JR乗車券と自由席特急券をお渡しします。
    ・「フェリー太古」乗船まで自由時間
    21:45-23:30
    ・博多ふ頭 第 2 ターミナルにて野母商船 「フェリー太古」 に乗船
    ※ 21:45 前には乗船できません。
    23:45
    ・「フェリー太古」 出港
    23:45~翌 8:15
    ・博多港→福江港 へ移動
  • 2日目
    12/3(土)

    8:15~11:00
    ・福江港着
    ・洋上風車見学(船)
    11:00-12:00
    昼食
    午後
    ・洋上風車ヤード等の見学
    ・福江市内泊
    ・福江市内に民泊
  • 3日目
    12/4(日)

    適宜
    ・福江港で解散し、希望の便で帰路へ。
    A)長崎経由:九州商船 ジェットフォイル
    ・福江発:7:30→9:15 長崎着
    ・福江発:9:20→11:05 長崎着
    ・福江発:13:40→15:05 長崎着
    ・福江発:16:05→17:05 長崎着
    B)博多経由:野母商船 フェリー太古
    ・福江発:10:10 →17:05 博多港




  • セミナー終了後
    2週間以内

    ・アンケートに回答する。



  • セミナー終了から約1か月後

    ・奨学金が振り込まれる。

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事務局 〒107-8404 東京都港区赤坂1-2-2
日本財団オーシャンイノベーションコンソーシアム事務局

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