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学生向けイベント

【海洋開発の知識・経験を身につける】

開催報告

まだ脱出したことがない方におすすめ! 海に不時着したヘリコプター*から緊急脱出して浮体式洋上風車へ辿り着こう!
*室内での訓練です。

日本財団オーシャンイノベーションコンソーシアムでは、海洋開発人材の育成のため、海洋開発に関連する講義と現場視察を組み合わせたセミナー等を実施しています。

今回のセミナーは海洋資源開発の2大分野である、海洋石油・天然ガス開発と洋上風力発電をテーマとして開催しました。

前半のプログラムでは、北九州市沖約15キロメートル、水深約50メートルの海域に設置された日本初のバージ型浮体式洋上風力発電システムの実機を間近で見学しました。続いて、海洋開発分野に特有の安全課題についての基礎を学んだ上で、洋上の石油・ガス施設等へのヘリコプターによる移動に必要となる特殊な安全訓練を受け、一定の緊急事態に対応する知識・スキルを取得しました。

後半のプログラムでは、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により長崎県五島市沖の浮体式洋上風車の見学が残念ながら叶わず、風車設計や洋上ウインドファーム建設ワークショップ等を中心に、洋上風力発電事業についての理解を深めました。

長崎県五島市沖は、2019年末に、政府による「海洋再生可能エネルギー発電設備の整備に係る海域の利用の促進に関する法律」に基づく「促進区域」に指定され、20年にはこの促進区域の第1号案件として事業者の公募を開始しました。技術的にも難しいとされる浮体式の洋上風車が8基建設される予定で、世界的にも注目を集めています。

政府の「2050年カーボンニュートラルに伴うグリーン成長戦略」においても、将来の主力電源の1つである洋上風力発電の利用拡大に向けた導入計画を決定するなど、洋上風力発電に追い風が吹いており、この分野の技術者の育成が求められています。

参加学生の体験談

北海道大学 工学部環境社会工学科資源循環システムコース B2

村田 隆元

これまで私は現状の風力は不安定なもの、発電の主力にはなり得ないと思い込み、そこまで風力に目を向けていませんでした。しかし、今回の講習を通し、現実にはすでに欧州で1GWクラスの洋上風力発電所が運用されていたり、総発電量の4割以上を風力で賄う国があるなど、当たり前に使われる技術になっているのだと考えを改めることになりした。その他にも国内のゼロカーボンに向けた取り組み、企業のHSEに関する取り組みなど、学ぶことは本当に多かったです。関係者の皆様、今回は貴重な経験をありがとうございました!

日本大学 理工学部 海洋建築工学科 B3

堤 龍也

コロナ禍の為、当初のスケジュールにあった五島市に訪問出来なかった事が心残りでした。ですが、洋上風力を船から間近に見たり早押しクイズでは周りが早すぎて私なんぞは手も足も出ず、撃沈。HUETは思ったよりハードでしたが楽しく受講させていただきました。あっという間の3泊4日。もう少し皆と一緒に過ごしたいと思い、他の青森などのセミナーにも興味が湧いてきてしまいました。今後、洋上風力・波力発電を学んでいく私にとって今回のセミナーはとても楽しく、良い経験・思い出になる事と思います。感謝です。有難う御座いました。

神戸大学 海事科学部海洋安全システム科学科 B4

糸島 裕樹

海洋開発現場体験セミナーに参加させていただき洋上風力事業に携わりたいという気持ちが大きくなりました。今回は五島の洋上風車をみることはできませんでしたが、響灘の洋上風車を見学することができ貴重な体験をすることが出来ました。また、セミナー内で参加させてもらったサバイバルトレーニングや講義の中で洋上風力事業に限らず、海洋開発に関する危険なことやそれに対応するための知識を深めることが出来ました。今後、就職活動や就職した後の活動で本セミナーで経験したことを活かしていきたいと思います。

秋田大学 国際資源学部 国際資源学科資源開発環境学専攻 B4

下村 領

私は大学で石油やガスの掘削について学んでいます。海上での掘削作業に役立てたいと思い、今回のセミナーに参加しました。実際のサバイバルトレーニングでは、水中で息ができない状況が続き、事故の危険性や準備行動の重要性を実感しました。また、洋上風車は浮体式にもかかわらず揺れが少なかったことに技術の高さを感じました。さらに、石油やガスの資源開発と同様に、風車建設にも事業者と地元の人々の信頼関係が欠かせない要因だと学びました。今回の五感を使ったセミナーでは、普段とは違う新たな知識や経験を得ることができました。

佐賀大学 理工学部機械システム工学科 B4

山口 佳織

私は今回のセミナーに参加して、同じ海洋開発という目標に向かって勉強している仲間に出会い、とても刺激を受けました。実際の洋上風力の現場を観に行ったり、グループワークをしていく中で海洋開発でも自分とは異なる業界を研究している人と意見を交わす機会があり、自分にはなかった新たな視点から物事を考えるきっかけとなりました。彼らとの交流によって海洋開発に対しての見方が大きく変わったと思います。この4日間を通じて、洋上風力の完成までには様々な人が関わり、協力し合っていることに気がつきました。

大阪大学 工学部地球総合工学科 B4

菊井 健太郎

今回の研修で最も印象的だったのは、やはりHUETです。今までヘリコプターについては漠然としたイメージしか持っていませんでしたが、事前講義で安全管理の大切さを学ぶことでよりリアルに実感することができました。実技訓練では緊急時に冷静に行動することの難しさを身をもって体験することができました。また、自治体・企業・漁業の方など、幅広い業界の方のお話を聞けたのも貴重な体験でした。技術的・工学的な話がメインの大学の講義とは違い、様々な角度から洋上風車について学ぶことでより理解が深まったように感じます。

早稲田大学 創造理工学部環境資源工学科 B4

岩谷 孝倫

大学では石油工学を専攻しており、将来はその分野に進もうと考えています。しかし、昨今の情勢を踏まえ風力発電への知見を深めたいと思い参加しました。結論としては日本では数十年、化石燃料主流の時代は終わらないのではないかと感じました。理由は法整備、地元の理解等多くの点で動きが遅いことや、欧米に技術的に負けていない浮体式風力発電も海底と繋ぎ止める係留索がコスト面で大きな課題である等様々です。しかし、一見しただけで決めつけずに勉強を続けていくことの重要さも感じることができ、非常に有意義なセミナーとなりました。

佐賀大学 理工学部・機械システム工学科 B4

岩永 俊輝

今回のセミナーは私にとって非常に刺激的な体験となりました。現在洋上風力発電についての研究を行っており、実機を直接見たのは初めてでした。また、洋上風力発電に関わっている方々から直接お話を聞き、洋上風力発電普及の為の課題を学びました。一番刺激的だったのは、他大学の同世代で自分たちの研究内容などを話し合ったことです。普段関わらない人たちと話すことで、視野が広がり、また自分の研究に対して更に努力しようと思うことが出来ました。最後になりますが、本セミナーの関係者の皆様、貴重な体験をさせていただきましたことに感謝申し上げます。

弘前大学 理工学部自然エネルギー学科 B4

大槻 映玲永

北日本育ちの私にとって人生初九州だった今回のセミナー、とても充実した4日間でした! 学会誌やシンポジウムなどで北九州市と長崎の洋上風力の取り組みをよく耳にしていて、実際の現場を見れたのはもちろん、そこに携わっている行政・企業・漁業者の方々の声を聞くことが出来て1つ1つのプログラムが終わる度に達成感を感じました。今回得る事が出来た知識・経験・人との繋がりは私の一生の財産です!ありがとうございました!

東京海洋大学 海洋工学部・海洋電子機械工学科 B4

沖川 由紀

今回のセミナーに参加して洋上風力に興味・関心を持つ全国の様々な専門分野を学ぶ学生や、海洋開発に実際に関わる方々と交流し、様々な視点からの洋上風力について学ぶことができました。最も印象に残ったのは、五島ふくえ漁業協同組合の方のお話でした。風車を建てることは漁師にとっていいことはなさそうだと思っていましたが、意外にも浮体が魚の集まり場になっており、それを活用できるかもしれないというお話が衝撃で、同時に洋上風力発電により魅力を感じました。

弘前大学 地域共創科学研究科 M1

神 裕磨

今回の海洋開発現場体験セミナーでは、洋上風車の見学、サバイバルトレーニング、ワークショップ、洋上風力発電に関する講義を行い、海洋開発に関する知識や取り組みについて学ぶことができました。特にサバイバルトレーニングでは、水中に沈められた模擬ヘリコプターから脱出する訓練を行い、安全器具の使い方や日常では体験することができないヘリコプターの緊急事態に対する行動を身に付けることができました。このセミナーを通して、改めて海洋開発に興味を持ち、将来、海洋開発関連の仕事に携わりたいと思うきっかけにもなりました。

東京理科大学 大学院理工学研究科先端化学専攻 M1

荻本 晃佑

実際に現場で働かれている複数の企業や自治体など、様々なバックグラウンドの方の生の声を聞くことができました。大勢を巻き込みながら、海洋開発という一つの目標に向かっていくことの困難とやりがいを、学生のうちから知ることができて良かったです。社会に出た自分が同じような境遇に置かれた時、どのように困難に立ち向かうべきなのか考えさせられました。就職活動をゴールではなく通過点と捉え、社会に出てからも様々なバックグラウンドの方々を巻き込みながら、新たな価値を生み出せる人材を目指します。

広島大学 大学院統合生命科学研究科生物資源科学プログラム M1

松山 昇碁

率直な感想は「貴重な4日間であった」である。行政、民間企業、漁業者といった異なる立場の方々の話を聞き、実社会での現場の意見や熱量を自身の肌で体感することができた貴重な機会となった。また、サバイバルトレーニングセンターでの訓練では、水の怖さ及び緊急事態を想定した事前の準備の重要性を強く感じた。さらに、全国各地の大学生と交流する中で様々な考え方を聞くことができ、自身の考え方を改めて見つめ直す良い機会となった。今回の経験を今後の大学生活や社会に出てからの考え方や行動に活かしていきたい。

大阪大学 大学院大学院工学部地球総合工学科 M1

清水 敦彦

洋上風力発電についての勉強、見学、交流と様々な形で知識や考えを吸収することができ、充実した刺激的なセミナーでした。特にセミナーの中で多くの人と話が出来たことが何よりの収穫でした。洋上風力発電の事業関係者、漁業関係者の方の講義だけでなく。セミナーに付き添ってくださった中にも青森で洋上風力発電を推進されている方など様々な経歴を持たれている方がおられ、至る所に学びの機会が転がっており、あっという間の4日間でした。関係者の皆さん、本当にありがとうございました。

東京大学 大学院情報理工学系研究科 M1

近藤 佑亮

今回の現場体験セミナーでは、情報系である自分にとってはこれまで全く触れたことがない「洋上風力発電」というドメインについてガッチリと学ぶことができました。これまでニュースなどでしか知らなかった洋上風力発電が、カーボンニュートラルを目指す国政レベルから地域振興を目指す自治体レベル、開発に従事する個々人レベルと、様々なレイヤーで広く注目されていることを理解しました。セミナー同期たちの熱い気持ちにも触れ、自分が研究している技術を洋上風力発電というドメインに適用して貢献したくなりました。

横浜国立大学 大学院機械・材料・海洋系学科 M1

照井 潮太

私は二つの有意義な経験を得ました。まず一つ目は海洋開発について詳しく学べたことです。海洋開発はプロジェクトの規模が大きく、関わるプレイヤーがとても多いです。様々な業種の方が携わることを体感できました。そして、二つ目は参加した学生間の交流です。海洋開発への興味という共通項を持ちますが、それぞれのバックグラウンドは全く異なります。彼らと交流することで、多くの刺激をうけました。これは何事に代えがたい大きな財産になると思います。貴重な体験をさせていただき、ありがとうございました。

※順不同

セミナーの様子

開催概要

主 催 日本財団 オーシャンイノベーションコンソーシアム
協 力 NPO法人 長崎海洋産業クラスター形成推進協議会
一般社団法人 日本風力発電協会(グローバル・ウインドデイ登録イベント)
実施期間 2021年8月26日(木)〜8月29日(日)
開催場所 福岡県北九州市
参加学生 16名
2020年の様子 開催報告はこちら

スケジュール

  • 8月10日(火)
    8月13日(金)

    事前講義(オンライン):「風力発電の最新動向と日本の将来」
    講師:日本風力発電協会 国際・広報部長 上田 悦紀様
  • 8月26日(木)

    JR九州ステーションホテル小倉に集合
    オリエンテーション・自己紹介

    講義:「北九州市の洋上風力推進についての取組」
    講師:北九州市環境局 再生可能エネルギー導入推進課 中村聡 様

    講義:「次世代浮体式洋上風力発電システム実証研究について」
    講師:丸紅洋上風力株式会社 辰巳航介 様

    関門汽船にて出航、NEDO浮体式風車(実証機)見学 
    ※解説は 丸紅洋上風力株式会社
  • 8月27日(金)

    日本サバイバルトレーニングセンターにてヘリコプター水中脱出訓練(HUET)受講
  • 8月28日(土)

    講義とグループワーク:「洋上におけるHSEとその管理について」
    講師:長崎海洋アカデミー招聘講師/日本海洋掘削株式会社 前田啓彰 様

    長崎海洋アカデミー(NOA)ワークショップ
    講師:長崎海洋アカデミー 松尾博志コーディネーター

    • ★ヒロシ★と♥ミユキ♥の洋上風力早押しクイズ
      • NOAの洋上風力専門用語集から出題
    • 風車設計・制作
      • 画用紙を用いて、直径30cm程度の風車ブレードを制作、小型の発電風車を完成。
      • 硬くて短めの2枚ブレードで電圧4.0Vを出した学生が優勝。NOAでの歴代最高記録は5.0V。
    • 洋上ウインドファームをつくる!
      • 安く短期でファーム建設できたグループが優勝。
    • バーチャルリアリティーでの洋上風車登頂
  • 8月29日(日)

    講義:「戸田建設の洋上風力発電について」(五島市からオンライン)
    講師:戸田建設株式会社 戦略事業推進室 エネルギー事業部 佐藤郁 様、上田哲也 様

    意見交換:漁業と洋上風力発電(五島市からオンライン)
    五島ふくえ漁業協同組合再エネ担当理事 熊川長吉 様

    修了式・解散
  • 9月3日(金)

    振り返り(オンライン)

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