海外派遣体験談

浜辺での着床式風車の設置ゲーム(左が福田さん)

福田 時生

九州大学  大学院 工学府 建設システム工学専攻 修了

修士1年時にサマースクール(2019年オランダ)に参加。
現在は洋上風力関連のエンジニアとして活躍中。

海洋開発業界で働くことの魅力は何ですか?

 海洋開発業界で働く魅力は、様々な分野のバックグラウンドを持つ人たちが協力して、日本だけでなく世界中でスケールの大きなモノづくりができる点です。私は広大な海の上にプラントやウィンドファームを建設すると聞くだけでワクワクします。もちろん、日本の気象や地理的な課題も多くありますが、産学官が一体となって日々技術開発をすることで乗り越えられると思います。また、海洋開発の技術力で日本よりも先行するヨーロッパ諸国の企業と協業して、グローバルに活躍することも十分可能であると思います。
 近年では世界的な脱炭素社会への転換という追い風に乗って、洋上風力発電や環境未来都市構想(グリーンフロート)の実現も期待されています。このように海洋開発は、将来私たちの生活基盤を豊かにすると共に、持続可能な社会の実現に貢献できるのも魅力的だと思います。

サマースクールに参加して、印象に残っていること、学んだことを教えてください。

Shell本社を訪問  オランダのサマースクールは洋上風力発電に特化した実習プログラムです。プログラムでは座学やグループディスカッションを織り交ぜながら、最終的に4人1チームで実際に水深、風向、風速、航路など様々な要素から洋上風力発電に適した場所を選定し、ウィンドファームの設計から運用方法までの一連の流れを発表しました。それだけではなく、海洋開発に関連した企業の工場見学や、大学を訪問して学生と交流をする機会もありました。最も印象に残ったのは、船で実際に洋上風力発電施設を見学して、間近で見る風車の大きさに圧倒されたことです。
 このプログラムで洋上風力発電に関して学習したのは勿論ですが、それと同時に大学や専門分野も異なる同期と一緒に生活、勉強する中で本当に多くの刺激を受けました。将来的には同じ海洋開発業界で共に働く可能性も十分にありますし、同じ志を持った仲間と横の繋がりは今後も大切にしたいと思っています。

この業界に興味を持った学生の皆さんへのメッセージ

 海洋開発には資源、機械、電気、造船など多くの専門性を持つ人が活躍しています。いま皆さんが勉強していることも必ず生かすことが出来ると思います。ただ、海洋開発といっても海洋石油・天然ガス開発、洋上風力発電のような再生可能エネルギー、グリーンフロートのような海上都市構想と様々です。その中で日本財団のサマースクールやセミナーに参加して、少しでも興味のある分野を探ってみて欲しいです。いずれも日本での実績が少ないものばかりですが、新しいかつ巨大なスケールのモノづくりに挑戦したい人にとって非常に魅力的な業界だと思います。