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産業紹介
メタンハイドレート・海洋鉱物資源

01メタンハイドレート

メタンハイドレートは、メタンと水が低温・高圧の状態で結晶化した氷状の物質で、火をつけると燃えるため「燃える氷」とも呼ばれています。

写真)メタンハイドレート(MH21RC)

メタンと水だけで構成されているため、火を近づけると水に囲まれていたメタンが燃え、水だけが残ります。さらにその多くが水深500m以深の海底から数百m程度までの地層に広く存在し、日本では「南海トラフ海域」と呼ばれるエリアに大規模に存在すると推定されています。

メタンハイドレートの生産技術はまだ確立しておらず、現在、において研究開発が進められている最中です。効率的な生産技術が開発されれば、日本の天然ガス消費量の100年分以上が日本の周辺の海に存在すると見られていることから、将来国産の有望な炭化水素資源として期待されます。

02海底鉱物資源

日本の周辺の海には、メタンハイドレート、海底熱水鉱床、マンガン団塊やコバルトリッチクラスト、レアアース泥等の海底鉱物資源が、水深が数百mから数千mまでの海底に多く賦存すると見込まれています。
広大な海域においていかに効率よく海底鉱物資源を見つけるか。現在、海底鉱物資源の情報などを効率よく取得するための技術開発がSIP(戦略的イノベーション創造プログラム)で進められています。
さらに、海底から鉱石を掘り出し船に引き上げる技術(採鉱)、鉱石から不用な岩石などを取り除いて有用な鉱物だけにする技術(選鉱)、さらに金属分を取り出す技術(製錬)など多くの技術が必要になります。現在、石油天然ガス・金属鉱物資源機構でその必要となる技術開発が行われています。

海底熱水鉱床

海底熱水鉱床は、地層深部まで浸透した海水がマグマ等によって熱せられて海底面から噴出した熱水に含まれる金属成分が沈殿してできたものです。煙突状になっていることが多く、銅、鉛、亜鉛、金、銀等の金属が含まれています。水深1000~3000mの海底火山の活動が活発な海域で発見されており、日本周辺では沖縄トラフや伊豆・小笠原海域で徴候が数多く確認されています。


写真)海底熱水鉱床(DORD)

コバルトリッチクラスト

コバルトリッチクラストは、太平洋の水深1000~2500mの海底に点在する海山の中腹斜面にある岩石を覆うような形で分布しています。主成分は鉄、マンガンで、マンガン団塊と類似していますが、名前の由来となっている白金を含む点が特徴です。ハワイ諸島や日本の南鳥島で発見されており、世界に先駆けて日本が探査活動に取り組んでいます。


写真)コバルトリッチクラスト(DORD)

マンガン団塊

直径2~15cm程度の大きさで、水深4000~6000mの海底に石ころを敷き詰めたように分布する、球状または楕円状の塊です。マンガン、ニッケル、銅、コバルト等30種類以上の金属やレアアースを含んでおり、核を中心に100万年で1mm程度の速度で成長します。海底鉱物資源のなかで最も古くから注目されており、ハワイ沖やインド洋等で発見されています。


写真)マンガン団塊(DORD)

レアアース泥

レアアースを豊富に含んだ暗褐色の泥質堆積物で、第4の海洋鉱物資源とも言われています。2013年に東京大学と海洋研究開発機構が南鳥島周辺の水深5000~6000mの海域で発見しました。太平洋に広く分布しているため、資源量が膨大と見られています。レアアースはハイテク機器の製造に不可欠なため、商業生産できれば、日本のレアアースの安定供給に大きく貢献すると期待されています。


写真)レアース泥(JAMSTEC or 東大)

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