私は、大学院・学部では構造力学や流体力学など主に造船に関する勉強をしていました。現在、ばら積み貨物船における鉱石の流動化に関する研究を行っています。
私は九州大学を含めた日本の大学とブラジルの大学が提携した海洋開発関するプログラムに参加しており、このプログラムでの取り組みをきっかけに海洋開発の分野に興味を抱き始め、RGU(Robert Gordon University)のサマープログラムに参加しました。
写真)学生代表としてスピーチ (Courtesy of Robert Gordon University)
サマープログラムの概要
・石油層に関する地質学の勉強
・掘削や海底石油井戸の基礎事項に関する勉強
・Drilling rigのシュミレーション体験
・海洋エネルギープロジェクトに関する勉強 →第2週より3つのグループに分かれ再生可能エネルギープロジェループワークを開始
・Orkney諸島で各専門家による再生可能エネルギー事業の説明
・陸上風車や潮流発電装置、EMEC実証施設の見学
・ROVメーカーROVOPの会社見学
・千代田化工建設子会社Xdous社の訪問
・海洋博物館の見学
・再生可能エネルギーのプロジェクト発表
写真)Maritime Museumにて
このプログラムのメインは第2週から始まった再生可能エネルギーのプロジェクト発表で、これは日本で再生可能エネルギーに関するプロジェクトを自分達で提案するというものでした。欧州の国々と比べて、エネルギーポテンシャルの小さな日本でプロジェクトを成功させるためには何が必要なのか。という問いに対して地域や政府、企業の観点から、また現在の法律や制度などあらゆる特徴を踏まえながら考えることにより、プロジェクトの提案を行いました。
このプログラム経験して良かったと思ったことを簡単にまとめます。まず、Orkneyでの実証施設や発電装置のメーカー訪問などでは、実際の機器を間近で見ることが出来る機会があり、実際の装置のスケールの大きさや機器の細部に用いられている細かな工夫まで見ることができ、とても良かったです。また、装置のコンセプトや各メーカーの考えていることなど、日本では絶対に聞くことの出来ないような話をたくさん聞く機会があり、勉強になりました。
次に、様々な大学から学生が参加しており、それぞれ研究内容などや大学で勉強したことが異なり、グループワークなど議論の場ではとても充実した議論ができたことです。また、今まで自分が勉強した内容について、他の学生と比べてどのような点が長けており、どのような点が足りていないかということに気づくことが出来ました。
Xodus社の訪問や会食の場では、実際にヨーロッパの海洋産業の第一線で働く方のお話を聞く機会があり、全世界を舞台とする海洋産業での仕事に対するやりがいや今後の展開などを直接聞くことができ、自分の将来を考える上でもとて良い経験となりました。